moonriders11年振りアルバムを鈴木慶一、佐藤優介、澤部渡とともに語る



田家:5曲目、「雲と群衆」。詩曲は慶一さん。このタイトルもいいですねぇ~。

鈴木:ありがとうございます。まぁ雲がCloud、群衆もCrowd。Cloud&Crowd。

田家:あ、確かに!英語では同じですね、スペルは違うけど。

鈴木:ザ・ローリング・ストーンズの『一人ぼっちの世界』というのがありますよね。Get Off Of My Cloudで、俺の雲から出ていけっていう意味ですよね。雲を使ってCloudと言えば、今はクラウドでしょ。

佐藤:あー確かにそうですね。

鈴木:クラウドがあって、そこにちょっとデータ置いておくとか。SNSでは群衆が沢山いるとか。ま、そういうようなことを思いつつ、俺の生活を邪魔するなみたいなところもあるんですよ。

佐藤:内臓のすきまに 群衆が巣を作る、っていうのはクラウドなんですね。


左から鈴木慶一、田家秀樹、澤部渡、佐藤優介

鈴木:そうなんです。要するに、そういうものに掬われては嫌だなと。

田家:冒頭で、白い飛行物体というのがあるんですけど、これは肺の影かなと思ったりしたんですけど(笑)。

鈴木:そういう考え方は大歓迎です(笑)。

田家:で、さっきのアプレゲールもありましたが、これはマンホールですものね(笑)。

鈴木:マンホールですね。マンホールって今ありますかね?(笑)

澤部:あります(笑)。

田家:「呼び子」っていうのは?

鈴木:呼び子の笛は、いわゆる、ポリスじゃないですか? 語呂が良いので使ったというところもありますけど。

田家:〈マンホールからは 子供が生まれる〉。この辺はとってもシュールで批評性に富んでいるという様にも取れました(笑)。

鈴木:マンホールという言葉が、色んな意味を持つということでして(笑)。

田家:佐藤優介さんは、ビブラフォンで、澤部渡さんは、ボーカルです。

鈴木:澤部くんがこの曲を歌ってくれるといいなと想定していましたね。メロディも歌詞も出来ていたのだけど、私が低い方を歌うとなると、上は誰が歌うのかなぁと思って。あ、これは澤部くんだなと。

澤部:あ~嬉しい。

鈴木:あとビブラフォンを生まれて初めて弾いたんでしょ?

佐藤:そうですね(笑)。初めてで。

田家:え、そうなんですか! それは弾かないか?って言われたのですか?

鈴木:大体いつもはくじら(武川)か私がやったりするのですよ。でも、優介くんはドラムも叩けるし、ギターも弾くし、キーボードも弾くと。で、ドラムとキーボードが出来るなら、絶対ビブラフォンも出来るってことになってね。ちょっとやってみてって(笑)。

佐藤:楽しかったですね。その場で慶一さんが、こんな感じのフレーズって口で言ったのを、忘れないうちに叩いて(笑)。音楽はすごいポップで明るいんですけど、歌詞は結構厳しいことを歌ってますよね?

田家:そうなんですよ。そういうアルバムでもありますね。

佐藤:バランスがやっぱ、痺れますね。

鈴木:〈子供が生まれる 助けてやろうにも 検問だらけで〉、とかね。

田家:みんな避難している場所かもしれないということでもある訳で。

Rolling Stone Japan 編集部

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