マハラージャンが語る、歌の中の世界を豊かにするための方法

ー歌詞自体は詩的で、タイトルも含めて意味深じゃないですか。「正気じゃいられない」を今回のキーワードにした理由は?

世の中的に、正気じゃいられないようなムードがあると思うんです。僕は基本的に世相を反映したい気持ちがあって。ただ、真面目すぎると伝わるものも伝わらないとも思うんです。個人単位でも、生きていると正気じゃいられないことがあると思っていて。そういうものも大事にしたくて、今回のアルバムはミクロからマクロまで「正気じゃいられない」ことをまとめたような内容になったなと思います。

ー「鼻の奥に米がいる状態」も、ワードセンスがすごいなと思います。言われるとそんな状態があるなって思い出すというか。

あ、言われるとぐらいですか? 僕は結構頻繁に入っちゃうんですけど、プレイヤーの人とかにこの曲名を言うと、なんか知らないけど、ここ? って言って(鼻を)指差すんです。逆にここだと認識しているんだっていうのが、おもしろかったですね(笑)。

ーこれもスマホのリストの中に入れていた言葉なんでしょうか。

そうですね。これも光るものを感じたんです。ただ、鼻の奥に米が「いる」状態なのか、鼻の奥に米が「ある」状態なのかはすごく悩んで。最終的に「いる」状態にしました。鼻の奥に米がある状態だと、単純に米があるだけな感じですけど、鼻の奥に米がいる状態だと擬人化されることによって、なんか深みが少し増すというか……。まあ、深くないんですけど(笑)。

ーたしかに「ある」だったら物理的で、「いる」だと生きているような感じがしますね。

そうなんですよ。そこに詞としての世界を持たすことができると考えました。このタイトルでそんな大げさなこと言いたくないんですけど(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

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