ーー音楽づくりで一番好きなことは?私たちは、出来上がった曲をただ受け取るだけではありません。最初の段階から参加しています。一つひとつのブロックを組み立てたり、特定の感情を加えたり、フィードバックを交わしたり——こうした創造的プロセスのおかげで、自分たちの音楽に誇りを持つことができます。もし、すでに完成している楽曲を受け取ったとしたら、機械的に感じるでしょう。こうしたプロセスには、より強い愛着を感じています。なぜなら、「歌詞にこれを加えるのはどう? 振り付けにこんな動きを入れてみてはどう?」と言うことができるからです。
ーーBLACKPINKのメンバーとして唯一ソロ曲をリリースしていません。巷では、今年ソロデビューするという噂もあります。ソロアーティストとして、音楽に対してどのようなアプローチを考えていますか?ソロ活動に対してどれだけモチベーションがあるのか、まだよくわかりません。私が聴いている音楽、私にできる音楽、私がやりたいと思う音楽——何を選んだらいいのでしょう? いろんな楽器を使った曲が好きです。いろんなバンドやロックも好きです。みんなが私に求めているものは何でしょうか? 相反する質問で頭のなかはカオス状態です。だから、まだ迷っています。今年のソロ計画はまだ未定です。
ーーそのように思うのも、無理はないですね。そうなんです。簡単なことではありません。正直なところ、こういう仕事に就くなんて考えもしませんでした。私のことをよく知っている高校時代の友人は、私が芸能の仕事をしていること、それもちゃんとこなしていることに困惑しています。みんなは、私が自分のしたいことをして自由気ままに生きるだろうと思っていたみたいです。
当時は——あの頃の私は、いったい何を考えていたんでしょうね——学校に行きたくない日があれば、行きませんでした。両親も反対しなかったんです。ある朝、学校に行きたくないと苦い顔をして起きると、「そんな悲しそうな顔をしてどうしたの?」と父に訊かれました。私は、「パパ、すごく疲れてるの。今日は寝ていたい」と答えます。すると父は「わかった。それなら行かなくていいよ」と言ってくれました。翌日、学校に行くと、先生に「あなたは、いったい何がしたいの?」と訊かれました。
ーーご両親が学校をサボらせてくれたなんて、すごいですね。両親に見放されていたわけではありません。末っ子だったので、むしろ大事にされていたと思います。両親は自由な考え方をする人たちで、私の好きなようにさせてくれました。ですから、(YGに)移った時は苦労しました。規則がたくさんありましたから。忍耐と我慢強さを身につけなければいけませんでした。
BLACKPINKのJISOO(2022年4月9日、韓国・ソウルにて撮影)Photograph by Peter Ash Lee for Rolling Stone. Dress and bustier by Dior. Shoes: stylist’s personal item
ーーBLACKPINKがなかったら、あなたはきっとハワイに移住するだろうとLISAさんが言っていました。ハワイとは限りません。海外移住についてしょっちゅう話していますから。高校生の頃から、自由奔放な人間でした。当時、誰かに「将来の展望は?」と訊かれたら、「うーん、まともな職に就けなかったら、パートタイムで働いて、実家で親のすねをかじろうかな。貯金して、いつかそのお金でどこかに遊びにいくの。そこで自分のやりたいことを見つけよう。この方法がダメでも、なんとかなるはず!」と自分に言っていたと思います。昔から、何かに縛られずに自由に動き回りたいという想いを抱きつづけてきたんです。
ーーいま、その計画を実行するのは難しいのでしょうか?あなたが思う以上に大変です。どこに行っても、誰かに気づかれてしまいますから。そうなると、注意が必要です。
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