石橋凌が語る、ロックという言葉を使うのをやめた理由



―「愛をありがとう」はラテン調のムードのある曲で、年齢を重ねていないと歌えない包容力があるボーカルが魅力です。


石橋:なるべく気持ちを一番大事にしたいと思っているので、自分の中では「上手く歌おう」というのもないんですよ(笑)。それと、ミュージシャンのみなさんには「極力少ない音数でグルーヴを作ってください」とお願いしました。というのも、音楽でも映画でもあまりにも説明過多なものが多いと思うんですよ。昔の名曲、名画はどこかに余白があったと思うんです。

―歌う上でも、そういう意図で余白を作っているわけですね。

石橋:これは、俳優業とちゃんと向き合い始めてからなんですけど、ある人のインタビュー記事に「歌は芝居のセリフを言うように歌いなさい。芝居のセリフは歌を歌うように喋りなさい」と書いてあって。それは見事に的を得ていると思いましたし、なるべくそういう風に歌おうと思っています。



―なるほど、だから舞台を観ているような感覚で聴こえてくるのかもしれないですね。

石橋:このアルバムをそういう風に言ってくれる方はいますね。「ミュージカルを観ているように聴いている感じがします」とおっしゃっていただいたりします。

―現在、3年ぶりの全国8都市でのコンサートツアーを11月6日の東京日本橋三井ホールまで開催中ですが、久々のツアーの感触はいかがですか。

石橋:2年前に「石橋 凌 with JAZZY SOUL」のライブをコットンクラブ東京でやったときに、ステージに登場してマスクをしているお客さんを観て瞬間的に思ったアイデアなんですけど、もしマスクをしているけど心の中で歌っているという人がいたら、手を胸に当ててください、女性は手を頬に当ててくださいとお願いしたら、みなさん見事にボディアクションで返してくださったんです。もちろんお客さんの声は聴こえないですけど、ちゃんと楽しんでくださってる、喜んでくださってるのがわかりました。今回もそれを全会場で冒頭に言ったところ、みなさん返してくれているので、それはありがたいですね。ツアーではアルバム10曲全部と旧曲を織り交ぜてやっているんですけど、みなさんすごく新譜を聴いて下さっているのがわかって新旧の曲が遜色なくやれてますし、楽しんでもらっています。是非、ライブにいらしてください。



<リリース情報>



石橋凌
『オーライラ』
発売中

=収録曲=
1. 粋な午後
2. KEEP IN TOUCH!
3. 素晴らしき歌
4. オーライラ
5. ファンキー バァバ
6. LITA
7. 愛をありがとう
8. ヴィンテージ・ラブ
9. 言ワズモガナ
10. Dr.TETSU

<ツアー情報>

コンサートツアー2022「KEEP IN TOUCH!」
2022年11月6日(日)東京・日本橋三井ホール
開場 16:00 / 開演 17:00
指定席¥9000(税込)
TOUR MEMBER:Gt.藤井一彦 key.伊東ミキオ B.渡辺圭一 Drs.サンコンJr. Vn.太田惠資 Sax.梅津和時
ツアーメンバーにつきましては予告なく変更となる場合もございますので予めご了承ください。

https://www.red-hot.ne.jp/sp/ishibashiryo/

Rolling Stone Japan 編集部

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