Aile The Shotaが振り返る2022年 増幅する「愛」の力

BMSGにおける存在意義を『BMSG FES’22』で自覚

―夏は、まず7月6日に2nd EP『IMA』をリリース。Aile The Shotaはいろんなシーンの人とナチュラルにクロスオーバーしていくアーティストだと明確に示した作品でもあったと思います。

たしかに。プロデューサー陣の名前が並んだ時に「こいつ何者だ?」ってなるくらい、いろんな曲をやっていることがプラスに出ているなと思います。あと、ルーツや軸足はJ-POPにあることの可能性にすごく自信を持てました。まさか僕もシティポップを作ったあと、「IMA」になるとは思ってなくて。それは日高さんがKNOTTさんを紹介してくれたことがきっかけなので、やはり「SKY-HIなくして」という感じですね(笑)。「IMA」を書いた時は、自分の現在地を自覚しながら、「うわ、なんだこれ、しんど」みたいな感情がちょっと出始めたくらいのタイミングで。多少ネガティブな感情もあったからこそちょっと強く書けた気がします。だからリリックに救われますね。「IMA」は自分の強い意志を歌っているので、ふと迷いそうになった時に、歌詞を見ると「ほら! こうやって言ってるから! ここだよ!」って(笑)。「夢宙」も現実逃避みたいな曲なので、追い込まれてるなっていう(笑)。でも曲としてめちゃめちゃ好きなので、こういう書き方が正解だったんだなってすごく思いますね。



―「IMA」は今後もライブのクライマックスに入ってきそうなくらい、Aile The Shotaにとって大事な1曲になりそうですよね。

そうですね。それはフェスで一番感じました。『BMSG FES』で、特効を使ったりでっかいLEDを背負ったりすることがハマるアーティストになれると感じたのは「IMA」があったからなので。Aile The Shotaの可能性を大きく変えてくれたのは「IMA」だし、KNOTTさんのビートだなと思いますね。そこくらいから見たい景色が変わってきたなと思います。『AINNOCENCE』から2ndを作ってるくらいまでは、クラブシーンとか、チルなイメージで音楽をやっていきたいなという気持ちがあったんです。でも「IMA」をライブでやった時に、「もっと違うハマり方がある」「もっと大きいことができる曲だ」と思うようになりました。

―1年の中でも「IMA」と『BMSG FES’22』がShotaさんのマインドの転換期として大きかったですか?

Aile The Shotaとしての現在地は「IMA」を出した時に自覚したんですけど、BMSGにおける存在意義みたいなものはやっぱりこのフェスが大きなポイントで。フェスの前に日高さんとしゃべった時間とか全部が結びついて、すごくきれいに爆発したのが『BMSG FES』だったなという感じがします。結果、超ラフにやって、砕けた感じで客席巻き込んで、時に座り、お酒を飲み(笑)。「ステージでお酒飲んでいいですか?」って、それを許してくれるのはやっぱりSKY-HIがいるからだなって思いますね。あのステージも、あれが正解だったなと思います。



―あの時、MCでたしか「俺の歌について来い」とか……。

なんて言ったんだっけ? 「今に見ておいてください」みたいな感じで言った気がする(笑)。

―そういった自信溢れる言葉が出てきたのは、事前に日高さんとしゃべる時間があって、あのライブができたからこそ?

そうですね。日高さんの家で二人でしゃべる時間がなかったら言ってなかったような気がします。自分の15分くらいの枠で何を示そうかと思って、音楽に対して力んでいくのは絶対に違うし、Aile The Shotaの曲を聴かせた上でMCで一言何か置いていくことが大事だなと思っていたんですけど、そこであの言葉が出てくる心になったことが大きいですね。1年目であそこまで持っていけてよかったなと思います。次の『BMSG FES』であれだったら間に合ってなかった感があるんですよ。

―その言葉がちゃんとハマるライブをしたことが何よりもかっこいいと思います。

いやあ、よかったです。


Photo by Kentaro Kambe

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