若手3ピースロックバンドUtaKataが描く「自分と世界との付き合い方」

―曲を人に伝える上でコードが必要になりますけど、クラシックピアノにはバンドで使うようなコードという概念がないですよね?

斎藤:そこは理論的なことプラス、自分が好きなバンドがどんなコードを使っているのかを調べたりしてすごく勉強しました。僕はめちゃくちゃ理論的な人間で、すべてのことに裏付けがないと納得ができないので、曲の構成や歌詞も理由があって作っている節はあると思います。ただ、逆に安田は感覚的な人間なので、対照的な2人が作った楽曲がUtaKataには存在しています。

―なるほど、それでアルバムには直情的な曲やエレクトロなSEが一緒に入っているんですね。

斎藤:そうなんです。SEは僕が99%好き勝手に作ってます(笑)。ギターロックで終わらせたくなくて、キーボードやよくわからないガチャガチャした音だったり、色んなものを含んだバンドを作りたいと思っているんですよ。2年前に作った「或ルところに」という、変拍子が入ったり複雑な構成をした曲を出したときに、すごく反響があったんです。クラシックのピアノも、淡々と弾いていても楽曲として面白くないし、すごく構成を練った曲が時代を越えて残っていると思うんです。自分はそういうドラマティックな展開を作るのが好きですし、そういう土台が今のバンドの方向性に繋がっていると思います。



―そんなクラシックピアノをやっていた斎藤さんが、どうしてドラマーをやってるんですか?

斎藤:ドラムを始めた理由はすごく単純で、高校の軽音学部で見た先輩のドラムがめちゃくちゃカッコ良かったからなんです(笑)。でも自分は、ドラムをやっていなかったら音楽を続けていなかっただろうなって思います。ピアノは幼少期から高3ぐらいまで習っていたんですけど、そんなに好きなわけじゃなかったんです。ただ、ドラムを続けている中で身に着けたスキルをピアノにも使えるようになってきたときに、楽しんで曲にも使えるようになったんです。今回のアルバムは、前作のEPと比べるとキーボードや打ち込みの音もかなり入っています。

Rolling Stone Japan編集部

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