若手3ピースロックバンドUtaKataが描く「自分と世界との付き合い方」

―1stアルバム『ZENJINMITOU』はどんな作品にしようと思って作りましたか。

斎藤:自分たちの同世代にも下の世代にも、すごいバンドがいっぱいいるので、そんな中で「UtaKataは他のバンドと比べて明らかに異質だよね」って思われるような、ギターロックに囚われずに、色んな音を組み込んだ新しいチャレンジをしたアルバムになればいいなと思って作りました。

―ところで、UtaKataというバンド名の由来はなんですか?

斎藤:高校時代に安田と組んでいたバンドが漢字で「泡沫」だった流れからなんですけど、疾走感のある音楽であっても、どこか脆く崩れてしまうような楽曲が人の心を惹きつけるんじゃないかなと思うんです。そういう楽曲を作りたいという意味合いでつけたバンド名です。

―歌詞については、どんな世界を描こうと思っていますか。

斎藤:「自分と世界との付き合い方」みたいなことを考えているところがあります。自分がすごくセンシティブな人間なので(笑)、人から何かを言われたときにすごく考えちゃうんです。今、そういう若い人たちも多いと思うんですけど、「自分はこういうときにこうしているよ」という考え方を曲の中で提示することで、聴く人が「ああ、そういう考え方もあるよな」って、ちょっと気が楽になってもらえたらいいなと思って書いています。

―今のお話とは対照的なタイトルの「ヒトリヨガリ」では、〈綺麗事ばっかで偽物ばっかの〉〈こんな世界にひとりぼっち〉と歌っていますよね。この曲はどんなときに出来たんですか?

斎藤:この曲にはめちゃくちゃ思い入れがあります。半年ぐらい前に、精神的に追い詰められていた時期があって、それを乗り越えて作った曲なんです。夜をテーマにしている曲なんですけど、夜って本当に人の心を蝕むんですよね(笑)。昼だったら思いつかないような被害妄想や未来への不安が突然襲い掛かってきたことがあったりして。そんな中で、「死にたい」とか思っちゃう人もいるんだなということを学んだんです。でも、そこで自分を支えてくれたのは音楽という存在で。「自分はひとりぼっちで、もう生きていけない」みたいな考え方になっても、「でも人間ってそういうもんだよ」っていう歌詞を乗せた楽曲を聴くだけで自分は心が楽になったので、そんな曲にできたらいいなと思って書いた、かなりリアリティのある曲です。

Rolling Stone Japan編集部

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