若手3ピースロックバンドUtaKataが描く「自分と世界との付き合い方」

―こうして聞いていると、ご自身のこともバンドのこともすごく饒舌に話してくれますし、作詞作曲もして曲についてのメッセージもしっかり発信していますよね。自分で歌おうとは思わなかったんですか?

斎藤:歌で表現することは嫌いじゃないですし、ボーカルについても理論を勉強したんですけど、ボーカリストって感覚的な人間が多いですし、すごく勉強した上で自分には向いていないということに気付きました(笑)。自分は現実を見ちゃうタイプなんですけど、こーだいは「Zeppでワンマンをやる!」とか大それたことを言えて、そのために大胆な施策を実行できるカリスマ性のある人間なんです。まあ、今日まだ来ていないんですけど(笑)。ボーカルとして人前に出て夢を見させられるのは、こーだいみたいなタイプだなと思うんです。それを見てるとやっぱり自分はボーカルはできないなと思います。ドラムが天職です(笑)……すいません、今こーだいが来ました。

こーだい:よろしくお願いします!

―本当にキッチリ45分遅れてきましたね(笑)。

こーだい:はい、すいません(笑)。よろしくお願いします。

―こーだいさんは、どうしてバンドをやっているんですか?

こーだい:小学校から高校まで野球をやっていたんですけど、それまで打ち込めたものがあった分、大学に入ってからあんまり楽しくなくて。そんなときに響から外でバンドをやりたいという話を聴いたのがきっかけです。大学4年間、「がんばったね」って言って終われるようなものであればいいなと思っていたんですけど、活動していく中でなるべく大きい箱でお客を入れてライブをやりたいという目標ができて続けています。

―もともと、どんな音楽に影響を受けているんですか。

こーだい:メンバー共通で好きなバンドはRADWIMPSなんですけど、僕個人では高校生の頃にTHE ORAL CIGARETTESのやまたくさん(山中拓也)にすごく憧れて、着る服とかネイルをしたりとかすごく影響を受けています。あとは少し儚さとか悲し気な表情のあるバンドも好きで、凛として時雨のライブ映像を見て強烈な憧れを持って、バンドをやりたいと思ったんです

―まさに儚さとか悲し気な、という世界はUtaKataのテーマでもあるわけですよね。斎藤さんが作った曲を、こーだいさんはご自分の中でどう捉えて歌っているんですか?

こーだい:やっぱり、最初は難しかったです。歌詞を僕が付けたりもしたんですけど、もらった曲に歌詞を付けるのもなかなか……作曲者が曲に乗せたい気持ちもあると思うし、僕より響の方が言葉選びもできるので、響が書いた歌詞を自分なりに嚙み砕いて自分なりに感情を込めて歌うようにしています。それがUtaKataらしさだと思うし、今はバンドで1つの目標に向かって、それぞれが持っている長所を出していくのがベストなんじゃないかなと思っています。

斎藤:こーだいは、なんなら僕よりメンタルが柔らかいところがあるかなって思います(笑)。僕はある意味ドライなところがあるんですけど、こーだいは色んな人と交友関係を持つのが得意だけに、色々と思うところがあるんじゃないかなって。まあ、同じバンドをやっている者同士、当然似ているところはあると思うんですよ。逆にギターの安田は、めちゃくちゃ捉えられない不思議な人間です(笑)。

こーだい:メンバーでもわからないです(笑)。

斎藤:こーだいは感情面が強い人間で、安田は理路整然とした人間で、自分がその中間にいるような感じです。だからこそバンドで面白いアイデアが出たりすると思います。

Rolling Stone Japan編集部

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