若手3ピースロックバンドUtaKataが描く「自分と世界との付き合い方」

―「メイテイ」には、アルバム収録曲以外にボーカロイドの可不を使ったバージョン「メイテイ (feat. 可不)」もありますよね。そういうことも試みていくんですか?

斎藤:うちのメンバーはボカロ楽曲も普通に好きなので、自分の楽曲はボカロに向いているのかもしれないとも思っていて。

こーだい:ボカロっぽいとかアニメの主題歌っぽいって、ずっと言われてたんです。

斎藤:それもあって、挑戦的にやってみたんです。ボカロを使うのは人が歌うのとは勝手が違うと思いましたし、感情が籠らないからこそよいところもあったりとか、新しい発見があった試みでした。

―それこそ、斎藤さんはボカロや打ち込みで自分の表現を1人で完結させることもできるわけじゃないですか?でもそうじゃなくてバンドにこだわるのはどうしてですか。

斎藤:これは、この1年間色々経験したことで感じたことでもあるんですけど、他人の意見が混ざり合って化学反応的に爆発的な成果を生むことがあって。うちのバンドの場合、デモの段階で僕が打ち込んだギターを安田がアレンジしたときの楽曲の爆発力がすごいんですよ。

こーだい:本当、安田はすごいんですよ。順番で言うと、響が打ち込みでデモを作って、僕が歌って、その上にギターを入れるんですけど、毎回思わず声が出るぐらいビックリするんです。特に今回、「ヒトリヨガリ」は鳥肌が立ちました。

斎藤:ギターももちろんなんですけど、僕がデモを作った段階で「ここはこういうリズムにしよう」ってこーだいに伝えると、「こっちのリズムじゃない?」って返って来ることがあって、それが腑に落ちてよくなったこともあるんです。自分がいかに理論的に言語化していたとしても、それを飛び越える感情面がエッセンスとして入ってる方が良いと思うので。そうやって、自分に足りないものをメンバーに補ってもらう方が良いものが作れると思っています。音楽の完成度を上げることももちろんなんですけど、それ以外でもSNS周りとか人との付き合い方とか、楽曲だけじゃなくてバンド運営を含めて全体的に足りないものを補い合いながらやっています。

Rolling Stone Japan編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE