けろりらが語る、TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の世界

キャラクターたちの実在感

ーキャラクターデザイン・総作画監督として携わった作品が、今こうして多くの人に支持されて、結束バンドのCDもオリコン1位になってる状況は、どう受け止めていますか?

けろりら 昔は「ぼっち・ざ・ろっく!」のマンガの感想を探すために自分で検索してTwitterを見ていたのが、今は毎日のように「ぼっち・ざ・ろっく!」の情報が自然と入ってくるようになりました。うれしさもありつつ、すごく遠くまで来たというか、不思議な感じですね。グッズが出たり、ラジオやイベントもあって、公式の情報もいっぱいあるじゃないですか。自分が関わってるのかわからないぐらいの規模感になってる。大きな、何かの流れに乗ったのかなって思います。

ー最初からそういう大きな流れを作り出そうって思ってたわけではなくて、ただ作品が好きでアニメにしたい!っていう気持ちから始まったっていうのが、いい話ですよね。

けろりら 作品が面白いとはずっと思ってたんですけど、こんなことになるとは思ってなかったです。CloverWorksって、こういうかわいい作品はあんまりやってこなかったし、斎藤監督自身も、普段MADHOUSEって制作会社で「Sonny Boy」とか「ブギーポップは笑わない」とか、毛色の違う作品をやっていたので、どうなるのか未知数なところもあったんです。でも結果大成功だった。はまじ先生含め、みんな幸せって言ったら大げさなんですけど、みんながいいところに着地できたのはすごくよかったなって思います。

ー全12話を終えて、あらためて「ぼっち・ざ・ろっく!」という作品の好きなところを教えていただけますか?

けろりら 「ぼっち・ざ・ろっく!」って、すごくアニメしてるパッケージだと思うんですよ。色も真っ黄色だったり真っピンクだったり、奇抜なデザインのなかでギャグ要素もいっぱいあって、でも見てるとちゃんとストーリーラインがあって、画面の中で生きてるような感じがする。アニメなんだけど、ちゃんと彼女たちが存在している感じがするところに、作った意味を感じるというか。そういうのってなかなか難しいんですけど、それが「ぼっち・ざ・ろっく!」の一番好きなところですね。今もどこかでぼっちちゃんたちが生きてる感じがします。その実在感を出すにはいろんな人たちが頑張らないといけなくて、もちろん絵だけじゃダメだし、背景だけでも成立はしない。そこに音とかいろんな要素が入ってこないと実在感が出ないんですよね。これはアニメだけじゃなくて原作のいいところにも繋がってくるんですけど、キャラクターが歳を重ねて、青春時代のさらに先がありそうな雰囲気もすごくいいところだと思います。そこが実在感にも繋がってきてる気がします。

ーアニメが終わった今でも、けろりらさんはTwitterで時々「ぼっち・ざ・ろっく!」の絵をアップしたりしてますよね。ああいうのってパパっと描けるんですか?

けろりら Twitterに上げてる絵は、さーっと30分くらいで描いてます。普段の仕事の合間とか寝る前とかに、なんか描こうかな、ぐらいの気持ちで、特に何も考えずに描いてますね。仕事の絵に関しては、描く時間よりも描く前の悩む時間の方が長いです。みんなどんな絵なら喜ぶのかなとか、何が見たいんだろうって考えるのが難しくて、時間がかかるところですね。それこそジャケットとかは、めちゃめちゃ悩みました(笑)。

ーアニメは終わってしまいましたけど、ああやってけろりらさんがSNSに上げてくれると、まだ続いてるんだって気持ちになれるからファンはうれしいですよね。

けろりら 自分もファンだったらうれしいかもしれないです(笑)。自分がやってるのは自分が描きたいからでもあるし、ちょっとしたおまけです。

ーけろりらさんがアニメーターとしてこれからやっていきたいこととか、こうなりたいって目標は何かありますか?

けろりら やりたいことは「ぼっち・ざ・ろっく!」でかなりやらせてもらったので、最近はずっと、何を目標にするかを考えてます。一旦ひと区切りしたので、今はいろんな仕事をしながら、何がやりたいのかを考えるフェーズに入ってますね。



けろりら
アニメーターとして、「ワンダーエッグ・プライオリティ」「その着せ替え人形は恋をする」「くノ一ツバキの胸の内」などの作品に作画監督として参加。「ぼっち・ざ・ろっく!」ではキャラクターデザイン・総作画監督を担当。

<INFORMATION>

結束バンドLIVE-恒星-
会場:Zepp Haneda
5月21日(日)
17:00 開場/18:00 開場
◆出演者:青山吉能 (後藤ひとり 役)、鈴代紗弓 (伊地知虹夏 役)、 水野朔 (山田リョウ 役)、 長谷川育美 (喜多郁代 役)
◆BAND:生本直毅 (Gt)、五十嵐勝人 (Gt)、 山崎英明 (Ba)、石井悠也 (Dr)
https://bocchi.rocks/special/live_kousei/

『光の中へ』
 結束バンド
5月24日発売
1,320円(税抜価格1,200円)
CD1枚 初回仕様限定盤

収録曲:
1.光の中へ
2.青い春と西の空
3.光の中へ-instrumental-
4.青い春と西の空-instrumental-

◆5月22日(月)0時に「光の中へ」先行配信実施

【初回仕様限定特典】
結束バンドLIVE-恒星-パックステージパス風ステッカー
※収録内容や特典は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。

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