ニューヨークが語る、芸人とアーティストの相互関係、『だが、情熱はある』に見る「新しいお笑いブーム」の形

お笑い芸人とアーティストの相互関係

ーそれぞれ学生時代にコピーバンドをやられていたそうですが、YouTubeでもバンド活動をスタートしていましたね。Hi-STANDARDのカヴァーも好評でした。

屋敷:俺は学校の文化祭で1~2回程度ですけどね。「ニューヨーク公式チャンネル」で再開するまで、ちゃんとしたスタジオにも入ったことなかったんで。まあ、完全に“世代”です。モテたいやつはみ〜んなバンドやってました。

嶋佐:とりあえずギターとか楽器を買ってた世代ですね。

屋敷:芸人でもちょろっと弾ける人めっちゃいますもん。



ーフットボールアワーの後藤(輝基)さんは以前、RSJにも登場してくれたことがあるんです。かまいたちさんのGACHI SEA(テレビ朝日系『かまいガチ』から誕生したLUNA SEAのコピーバンド)みたいに、いつかバンドで武道館に立ちたい!などの目標はありますか。

屋敷:いやあ、全然そこまでは考えてないっすね。でも、くっきー!さん(THE SESELAGEES、ジェニーハイ等)とか、ラランドのサーヤ(礼賛)とかホンマにすごいよな。

嶋佐:あれ、サーヤって自分で作ってんすか?

屋敷:曲は(川谷)絵音さんで、歌詞は自分なんじゃない? 昔は「オリコン何位!」とか基準があったけど、今は何を持って成功なのかようわからんですよね、バンドって。ジェニーハイとかすごい人気あるんすよね?

ー今度の単独ツアー(ジェニーハイ TOUR 2023 「クラシックファイブ」)はホール規模で回るみたいですね。

屋敷:ほお~。クリープハイプさんとかもすごい動員あるじゃないですか? でも、クリープさんの曲がオリコン1位とか取ってるという話は聞かないですもんね。

ーまさにクリープハイプとのツーマン(「ニューヨークリープハイプ」)を2月に開催しましたよね。以前もTHEラブ人間の企画に出演されていましたし。

嶋佐:ラブ人間が毎年下北沢で主催している「下北沢にて」っていうイベントですね。これまで2回くらい呼んでもらって。

屋敷:ちょいちょいバンドの人に呼んでもらうことはあったんですよ。ライブハウスでネタやるっていう。

嶋佐:ツーマンだとMOROHAさんとも一緒にやりましたね(2022年の「無敵のダブルスツアー」)。

屋敷:その前にも渋谷のクラブクアトロかな、昔ラブレターズさんと一緒に呼んでもらったよな?

嶋佐:それこそT.M.Revolutionの西川(貴教)さんが主催してる「イナズマロック フェス」にも出させてもらいましたし。あとはROTTENGRAFFTYさんの「ポルノ超特急」とかね。

屋敷:やっぱクリープさんとのやつは超楽しかったすね。

ー『M-1グランプリ2019』で披露した「オリジナルソング」を尾崎さんと一緒にリメイクされたとか。

嶋佐:そうっすね、ライブとネタとコーナーを織り交ぜてやらせてもらって。

屋敷:お客さんもすごい喜んでくれてる感じはしましたね。

嶋佐:尾崎さんも昔俺らの単独ライブを見に来てくれたことがあるし、俺も普通にクリープさんのワンマン見に行かせてもらって。すごく良い関係です。

ー尾崎さんの楽曲から生まれた映画『ちょっと思い出しただけ』には屋敷さんも出演されていましたね。音楽×お笑いというと、パルコと吉本興業が手がけた『コトバノオト』ではオズワルドとT字路sがツーマンを開催したり、ちょっとしたトレンドみたいになってるんでしょうか?

屋敷:うんうん、流行ってますよね。ゲスの極み乙女さんとさらば青春の光さん(『ROCK or LIVE!-ロックお笑い部-』)とか、東京03さんもCreepy Nutsさんとのライブ(『東京03 FROLIC A HOLIC feat. Creepy Nuts in 日本武道館』)をやられてましたし。たぶん、芸人とかお笑いを好きなアーティストさんが昔よりも増えたんやないかと思ってます。

嶋佐:くるりさんの25周年トークイベント(2021年の『くるりトーク』)に、サバンナ高橋(茂雄)さんと呼んでもらえたのも嬉しかったよなあ。俺ら、コントの出囃子にはくるりの「ロックンロール」を使わせてもらってるんで。

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