甲田まひるが語る22歳の今を記した初アルバム、一番の手応えと理想

ーちょっと話がずれるんですけど、甲田さんの誕生日のときにTwitterにあげていた、お母さんによるマイメロケーキ、かわいかったしすごかったですね。

甲田:毎年作ってくれているんですよ。お母さんは手先が器用で、私と結構性格が反対なんです。塗り絵とか上手で、私は逆に細かい作業とか塗ったりとかできない。

ー意外ですね。若い頃に、レイブとかで踊っていたというお母さんですよね。

甲田:器用な割には冒険心みたいなものは私より強くて。1人で海外に行くとか、すごく好きなタイプなんです。

ーそういうお母さんだからこそ、迷った時も背中を押してくれるというか。

甲田:私が1人だとネガティブな方に流されちゃうのを知っていて、わざと前向きな言葉を言ってくれる時もあるとは思うんですけど、本当に自然な感じで意見をくれますね。

ー先ほど、同世代の人たちにも聴いてほしいという話がでましたが、甲田さんは、同世代の人たちにどういう部分を発信していきたいと思っているんでしょう。

甲田:若い人たちにハマるものを狙いに行くということはあまり考えてなくて。自分が好きでやっていることに向いて欲しいなみたいな気持ちが強い。自分が納得できていないことだと多分続けられないので、みんなに届いてほしいと思いつつも、自分の中でしっくりくるものをちゃんと作品に残したいなと思っています。みんなに聞いてもらって共感してもらえたり、本当の意味での心の支えみたいな深いところでいいなって思ってもらえたり、長くずっと聞いてもらえるのが1番目標というか。それができたら嬉しいなって思っています。



ー甲田さんが好きなものに目を向けてもらう入り口のひとつとしてポップスがある。

甲田:本当に最初の手段に過ぎないというか。いろんなジャンルがあって、いろんなアーティストがいても、本当に目に見えて入ってくるものじゃないと吸収できないじゃないですか? ジャンルが偏っていて、すごい掘ってる子とかならすごい詳しいけど、他に趣味があって、音楽は普通に聴きますぐらいの子だったら、自然に入ってくるものしかキャッチしない子も結構いると思うので、そういう意味ではまずは知られることも大切だなって。そのツールとして、自分の好きなジャンルでもあるポップス。これなら聴いてもらえるかな?とか、これはちょっとダメか?とか、そういうのは自分ではとても楽しいなと思いながらやっています。

ーそういう意味でいくと、映画『BLUE GIANT』はすごかったですね。もともと漫画ですけど、映画館にジャズを知らない若い人たちもいっぱいきて涙しているのを見ました。

甲田:私もなんか嬉しくて。コンテンツ⾃体には絶対に⼒があって、偶然それが影になってたりすることがこの世にはあると思うので、そこを1回なにかで崩せればなっていうのは思ったりします。

Rolling Stone Japan 編集部

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