流れてるのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。
沖縄とロックっていうのはいろんな形で語られているテーマではありますね。4週目はそういう話にもなるんですけど、基地の中には若い人だけではなくて、年配の方もたくさんいらっしゃったわけで、そういう人たちにはロックというよりジャズだったりしたんでしょうね。基地の中でジャズを聞く場所があって、そこで齋藤悌子さんは高校卒業してからずっと歌ってこられた。
斎藤さんのお兄さんの話が改めて印象に残りました。お兄さんが高等弁務官、つまりアメリカを統治してる軍政の一番の偉い人の就任式で「これが最後の就任式になってほしい。早く正常な状態に戻ってほしい」って祈りの挨拶をされてる。反発を呼んだでしょうね。そんなこと言っていいのか、この場でって思った方もいたでしょう。彼女はそういう基地の中で、アメリカの兵隊のために歌っていた。ドラマチックな兄弟だったことになりますね。
沖縄の歴史には、日本の政治が深く深く影を落としております。戦争中、日本の政府は沖縄の人たちに方言を使わせなかったんですね。方言を使った子供は、「私は方言を使いました」っていう札、方言札っていう札を首からかけられて廊下で立ってなければいけなかった。そういう中でいろんな歌が歌われてきた。BEGINの島唄はそういう歴史も踏まえて、沖縄の人たちにとっての歌というものに対して、改めて感謝という言葉でイベントにしてるわけですね。齋藤悌子さんは生きた伝説そのものではないでしょうか? 来週は改めて島唄について勉強しようと思います。
<INFORMATION>田家秀樹1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。https://takehideki.jimdo.comhttps://takehideki.exblog.jp 無料メールマガジン会員登録に登録すると、
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