続・J-POPの歴史「1990年と91年、バンドブームと怒涛の日本武道館公演ラッシュ」



91年1月発売、JUN SKY WALKER(S)の「START」。アルバムは2月に出た『START』。彼らの初めての1位になったアルバムですね。初めての武道館が1989年。そして90年、92年と毎年3日間ずつやりましたね。ジュンスカを初めて観たのを覚えてます。デビュー直前だったと思うんですけど、日比谷の野音で行われた『勇気ある子供たちが時代を創る』っていうオムニバスのコンサートで、いきなり袖から走り出てきて、宮田さんがモニターに駆け上がって歌った。「全部このままで」だったか「歩いていこう」だったか曲目までは覚えてませんが、「わー、若いバンドが出てきたな!」と思った記憶があります。

で、97年に解散したんですね。でも2011年にユニコーンとの対バンで彼らは復活したんです。そして武道館をやりました。2014年、再開してからワンマンで武道館をやってるんです。つまり解散前、90年代当時に武道館をやって、再開してさらに武道館をやったバンドって他にいるかなっていう感じですね。彼らも息の長いバンドになりました。

武道館と言えば、バンドだけではなくて、この人の話をしないわけにはいかないというアーティストの曲をご紹介します。90年に4公演、91年6公演、92年8公演、去年150回目を迎えるはずだったんですが、150回目が喉の不調で中止されて目下149回という武道館最多公演の記録の持ち主。矢沢永吉さんの91年7月に発売になったアルバムのタイトル曲「Don't Wanna Stop」。



1991年7月発売、矢沢永吉さんの「Don't Wanna Stop」。アルバム『Don't Wanna Stop』のタイトル曲でした。矢沢さんは80年代にロサンゼルスに拠点を移して音楽作りをしてたんですが、88年の『共犯者』からロンドン録音をするようになって、「Don't Wanna Stop」はロンドンとロサンゼルスと両方で作ったアルバムでしたね。新しい扉を開いたという感じがしました。本当に勢いのあるアルバムが出来上がりました。

5月に「90年代ノート」をお送りしたときに、90年代は名曲の宝庫とお話したんですけど、個性派の宝庫だったんです。今日お聞きいただいてもわかるように、同じバンドでも本当にいろんなタイプがいた。いろんな人たちが次々と登場してきた。それをメジャーなレコード会社が積極的にサポートしていたんですね。前回ご紹介した、たまもそういう1組だったわけですけど、次の人たちは決して若いバンドではない。でも、こんなに個性的なバンドがいたんだろうかって人たちが90年の7月に登場しました。レコード会社がエピックソニー、上々颱風の「愛より青い海」。

Rolling Stone Japan 編集部

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