続・J-POPの歴史「新しいバンドたちが新しい扉を開けた1994年と95年」



流れてるのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」。

1週目に80年代後半からのバンドブームという話をして、2週目がラブソング全盛。今週はその後の転機にあたりますね。90年の年間チャート1位がMr.Children『innocent world』だった。新しいバンドがこのへんから主流になってくるんですね。80年代の終わり頃にバンドを組んで、90年代前半にデビューして、ある種の試行錯誤があって、そういう人たちが一気に新しい扉を開けるという時期ですね。これは5月にもお話したんですけど、小室哲哉さんとビーイングのブームが始まった時期でもあります。

大御所たち、スーパースターの人たちの動きということで言うと、さっき話に出た94年3月13日、長崎市公会堂「メッセージソングの日」。「日本を救え!!」と泉谷さん提唱のスーパーバンドが誕生したきっかけになったライブですね。その時、飛行機の中で陽水さんに会ったんです。空港で、「どこ行くんですか?」って聞いたら、ちょっと様子見に行こうかなと思ってと言ってましたが、シークレットゲストで登場してました。拓郎さん、小田さん、清志郎さん、さださん、浜田さん、大友さん、みんな楽屋に揃ってたんですよ。いやあ夢のようだなと思いながら見ておりました。90年代というのは、そういういろんな意味でも劇的だったなと思いながらお送りしてます。でも今も、そういう動きはきっとあるんですよ。僕らの目が届かなくなってるだけで。そういう人たちがこういう話を10年後ぐらいにするようになるんだろうなと思いながら終わろうと思います。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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