亜無亜危異、デビュー40周年で取り戻したパンクの初期衝動「ようやくピストルズに勝ちに行ける」

還暦祝いイベントを振り返る

―それから去年から今年にかけて、それぞれの誕生日に還暦祝いイベントも開催されました。コバンさんの「コバン還暦祭」では“還暦の海賊”で、伸一さんの「藤祭2019 還暦」にはTHE ROCK BANDで、茂さんの「生誕60周年スペシャル!!」ではデジロックのANARCHYでというふうに、その時々によって違う形でライブをやられたわけですが……。


4人の還暦イベントのフライヤー

藤沼:でも寺岡のときだけ、オレたち誘われなかったんですよ。

寺岡:いや、最初にそういう話をしたときに、「じゃあ、オレんときはTHE ROCK BANDをやる」「じゃあ、オレんときは新生ANARCHYでやる」ってなってったから、出し物がもうなくて。だったらいいかなと思ってね。まあ、コバンと伸一は結局来てくれて、一緒にやりましたけど。

仲野:ごめんよ、オレだけ行かなくて。呼ばれなかったからよお。

寺岡:なんでひがんだ感じになるんだよ?!(笑)

仲野:でも、「何やる?」って話したときに、意外だったのはコバンでさ。伸一が「また4人でTHE ROCK BANDをやるっていうのはどうかな?」って言ったとき、「それ、いいね!」って一番反応が早かったのがコバンで。「オレのときもTHE ROCK BANDでやろうかな」とか言っちゃって。



―コバンさんは、THE ROCK BANDをやりたかったんですか?

小林:まあ、そうだね。で、そういう話が出たから、じゃあ僕のところでリハーサルがてらやるっていうのも面白いかなって。僕の還暦祭は知り合いの若いバンドを集めてやるような企画だったんだけど、そのなかで“還暦の海賊”として出て。

―僕は伸一さんの「藤祭2019」でTHE ROCK BANDを観ましたけど、改めて「これは凄い。こんな強靭なグルーヴを出せるバンド、日本にほかにあるか?」って思ったんですよ。初期の亜無亜危異やいまの亜無亜危異とはグルーヴの種類がまったく違っていて、ファンキーだし、リズムもタメがある。特にドラムの力の入れようがまったく変わると思うんですが、コバンさんとしてはどっちも好きって感じなんですか?

小林:まあ、ノリがまるっきり違うんでね。バンドのデビュー当時は8ビートの早いやつばっかりやってて、だんだんとそうじゃないのもやるようになって、THE ROCK BANDになってからはわりと自由にいろんなことができた。で、そこからまた早めのビート感を出すようになって作ったのが『パンクロックの奴隷』だったり今回のやつだったりってことなのかなと思うんですけど。僕は、どっちも好きっていうのはあるんですけどね。

―伸一さんのギターのスタイルもTHE ROCK BANDと亜無亜危異とでは全然違うじゃないですか。僕はTHE ROCK BANDのライブを観ていて、これこそ伸一さんの真骨頂であり、ギタリストとしての個性を最も強く出せる音楽性なんじゃないかと思ったりもしたんですが。

藤沼:でも音楽のスタイルって、オレ的には結局なんでもいいってところもあるのよ。やたらこだわるやつっているじゃん? オレはブルースだから、とかさ。そういうのはどうでもいい。パンクの亜無亜危異をやって、THE ROCK BANDもやって、デジロックのANARCHYもやって、「なんでもできるけど、どう?」みたいなことで、オレはいいと思ってて。

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