岡村靖幸『靖幸』、当時のプロモーターと岡村ワールドについて語る



田家:岡村靖幸さん3枚目のアルバム『靖幸』の1曲目「Vegetable」。

西岡:先程お話になっていたようにアレンジとか、よく聴くといろいろなものが綿密に絡まっていてトップにふさわしい曲。ここでいよいよ始まるぜ、お前らちょっと行くぜっていう感じのシュプレヒコールにも聴こえる曲ですね。

田家:所謂ファンクって感じじゃないですもんね。ラグタイムとかホンキートンクみたいなものとか入ってる。ロックンロールですもんね。〈愛犬ルー〉とか、〈パック売りの烏龍茶〉とか、〈ピーマン にんじん ナッツ 食べなくちゃ〉とか、このへんは自分のことなんでしょうかね。

西岡:うん、たぶん(笑)。どういう生活をしていたかはちょっと僕らにも分からないけども。あの頃を考えると、ちょうどバブルの頃ですかね。コンビニがあって、いろいろなものが意外と豊富に周りにある生活の中で彼も過ごしていたんじゃないかなと思うので。それを1つ1つ題材にしたのではないかなと思うんですけど。

田家:福田さんはこの曲をどう思いますか? 先週までは洋楽セクションでしたもんね。

福田:そうです。これでようやく洋楽からこっちに移ってきたんですけど、とにかくね、洋楽ですよ、言葉が。愛犬ルーもそうなんですけど〈うまい うまい うまい〉のフレーズとか、今ヘッドフォンで聴いていると歌詞は結構入ってくるんですけど、ラジカセとかで聴いていると語感が洋楽のフレーズに聴こえるんですね。要するに英語で歌っているような語感でなめらかに聴こえてくる。最近はこういう文字の置き方をする方がいっぱいらっしゃるんですけど。当時、桑田さんとか佐野さんとか、その後桜井さんとか、こういう置き方をしてなおかつ作品としてきちんと成立させる人たちが多いんですけども。

田家:まだ桜井さんデビューしてないですもんね。

福田:ええ。これはそのへんの方々と比べても「Vegetable」はそういう意味ではワードは洋楽かもねって。言葉の意味よりは言葉の響きというか。

田家:今週と来週はそういう話になるかなと思っていたのですが、今おっしゃった言葉のリズムとか、言葉のメロディの乗せ方とか、そういう意味では比較する対象があるとしたら桑田さんだけかもしれないなと思ったりもしてました。

西岡:佐野くんも近いところがすごくあると思うんだけども。

田家:岡村さんはもっとアナーキーなところがありますもんね。西岡さんが選ばれた2曲目はこれですね。アルバムの2曲目でもあります、「ラヴ・タンバリン」。

Rolling Stone Japan 編集部

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