音楽本特集第一弾、朝妻一郎が語る音楽にまつわる権利と日本のポピュラー音楽史



田家:これが2006年に秋川雅史さんで大ヒットしたわけですね。新井満さんも亡くなってしまいました。

朝妻:そうなんですよね。

田家:本の最終項目が音楽出版ビジネスの現在で、その後にあとがきがあります。2021年に亡くなった人の思い出を手短にいろいろお書きになっておりまして、たくさん亡くなったんだなと思いました。

朝妻:本当にびっくりするんですよね。最初に僕の誕生日のときに音楽出版業界の先生、師匠とも言えるチャック・ケイという人が亡くなって。「あーチャックが亡くなったんだ」と思ったら、その後日本のいろいろな大先輩がお亡くなりになったので本当にびっくりしました。

田家:自分がおやりになってきたこととか、これからのことも書き残しておかなければいけないみたいな心境になったんですか?

朝妻:そもそもこれを業界誌に連載していたんですけど、そのときに何人かからこれをうちの社員なんかに話してくださいよと話をいただいて。「あ、そうか。今の人たちはどういう経緯でこういうふうになっているか知らない人が多いんだ」と。やっぱりちゃんと書いて、こういうことがあったから今に繋がっているんだと知ってもらうのは必要なんだろうなと思ったので恥ずかしいんですけど、本にさせていただきました。

田家:そういう意味ではどんな人が読んでくれるといいなと思われます?

朝妻:今音楽業界にいる方もそうだし、これから音楽業界に入りたいという方も参考になるんじゃないかと思います。ここに書いてないけど、日本のポピュラー音楽の歴史というのと、それから著作権の歴史が全部表裏一体になっているところがあるので。そういう意味ではこれをあらためてもうちょっと整理して次の本を書けたらなというのが希望です。

田家:それを楽しみにしたいと思います。

朝妻:いえいえ。いつになるか分からないんだけども(笑)。

田家:お元気でいてください(笑)。ありがとうございました。

朝妻:どうも!

Rolling Stone Japan 編集部

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