横浜の"ロック"ステーションTVKが音楽シーンに残した功績、兼田達矢と語る



田家:1992年12月に発売になった2枚目のアルバム『Kind of Love』に入っております。「ライブトマト」には1993年3月4日に出ていました。Mr.Childrenもそういう意味ではまだブレイクする前にTVK「ライブトマト」に関係があったということですね。

兼田:これまたBAD MUSICというJUN SKY WALKER(S)から始まって、Mr.Children、the pillowsとかTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを送り出している、それこそロックなプロダクションがあるんですけども、そのプロダクションも住友さんと一緒にものを作っていく思いを共有できるプロダクションの1つで、その事務所のアーティストだったということも大きいんだと思うんですよね。

田家:この本についてあらためて思うことは?

兼田:住友さんは1948年で所謂団塊の世代ですよね。同期で入られたお2人の話も聞いて1番思ったのは、これは団塊の世代の人たちの青春物語なんだなと。青春時期に新しい局で職を得た人たちが辿る道が日本におけるロックの発展と重なっただけでということが作り終えた後でもすごく思うんです。だから、団塊の世代の方って人数も多いし、いろいろな分野で今の日本のベースを良くも悪くも作った世代の人たちだと思うんですけど、そういう世代の人たちだからこそおもしろいことを音楽でもテレビの分野でもやれたんじゃないかなということは勉強させていただきました。

田家:当時、TVKで音楽を知るようになった。特にロックはTVKが入口だったという人はたくさんいると思うので、そういう人たちに知ってほしいことはあります?

兼田:それこそTVKが「ファイティング80’s」とか「ライブトマト」をやっていた時代よりも、今はストリーミングサービスとかあるし、掘ればいくらでも見つけられるからTVKがライブやミュージッククリップの形で伝えてきた、いい音楽がもちろん今でも聴けるのだから、ぜひそれを聴いてほしいなとあらためて思います。

田家:そういう入口にこの本がなればいいなということでもある。ありがとうございました。

兼田:今日はありがとうございました。

Rolling Stone Japan 編集部

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