小田和正特集、PAエンジニア・木村史郎とライブや作品の歴史を語る

田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」。6月15日に8年振りのアルバム『early summer 2022』を発売した小田和正さんの特集。今週はパート3です。最も古いコンサートスタッフ、PAエンジニア木村史郎さんをお迎えしてお送りしました。流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。



1週目は1番近しい評論家・小貫信昭さん。先週が1番古い制作者・朝妻一郎さん。そして今週は1番古いコンサートスタッフ、有限会社セプト・ワンの代表取締役・エンジニアの木村史郎さんという順でお送りしてきました。オフコース、それから小田和正さんの日本の音楽シーンの中での功績がいくつかあって、その中の1つにコンサートという場所をいろいろな形で改善してきた。新しい音楽表現の場所として進歩させてきたということがあります。その大きい要素が音響と照明です。音がいいということと、映像が効果的に使われている。これのチームとして確立した最初のアーティストが小田さんでしょうね。音響を今でも担当しているのが、木村史郎さんです。

音楽専門の音響の人とか、照明の人が70年代はいなかったんですよ。ほとんどが舞台関係の人。特にエレキギターの音とか、ドラムやベースの音をちゃんと伝えられる人、これはレコーディングのエンジニアでも少なかったですから、コンサートではもっと少なかった。木村史郎さんは最初はバンドだったわけですね。ユイ音楽工房に所属していた。バンドとしてオフコースと同じステージに立ったことがある人。ただ、自分たちはバンドとしてはあまり上手くいかなくて、でも音楽の道に進みたいということで友人と3人で作ったのがセプト・ワンという会社で、1976年に小田さんとオフコースに出会っているわけです。そこからずっとライブを作っている。「スティル・ロング・アウェイ・トゥー・ゴー」のときにちょっと離れたというのは今日初めて聞きました。そういう転機を乗り越えながら、未だに共に戦っている。戦っていると言うと恥ずかしいから、なかなかそういうふうには言わないだろうなと思いながら聞いたんですけども、そういう人たちの集まりが小田さんのツアーですね。みんなで何かを作り上げる。コンサートツアーは現代に残された唯一の移動エンターテイメントの形だと思っているので、70歳を過ぎてるスタッフが3人いる。チーフがみんな70歳を過ぎている。こんなに貴重なツアーがあるかと思いながら、どんなツアーになるのか楽しみにしたい。そして、ともかく無事を祈りたい。そんな今週の終わりであります。


<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
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Rolling Stone Japan 編集部

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