ベルウッド・レコード・三浦光紀が語る、西岡恭蔵との出会いからはっぴいえんど解散まで



田家:はっぴいえんどの3枚目のアルバム『HAPPY END』から三浦さんが選ばれたもう1曲、「無風状態」でした。はっぴいえんどのロサンゼルス旅行はそもそもは三浦さんが高田渡さんと行く予定だったと。

三浦:僕と大瀧さんと渡さんがいろいろレーベルの話をしていて。当時、アメリカのレーベルを主に聴いていたので、当然大瀧さんはやっぱり録音がすごく好きな人だった。アメリカに行って、16チャンネルの録音状態を見たいっていう話も出てきていたので、だったら1回ロサンゼルスに3人で行ってみようかって話になってたんですよ。けど、3人で行ってもレコーディングできるわけじゃないんで、16チャンネルをきちっと見てくる意味でも、大瀧さんに「アメリカでレコーディングしないか」と。そういう思いもあって、はっぴいえんどで行けば、後の活動に絶対プラスになるから行きましょうってなり、大瀧さんがメンバーを説得してくれたんだと思います。

田家:他のメンバーはあまり乗り気じゃなかったんですか。

三浦:メンバーっていうか松本さんですよね。今から思えば当時解散してたから、松本さんは自分の出番はもうないんじゃないかとたぶん思ってたと思うんですよね。僕は全然そのへんを知らなくて、とにかくはっぴいえんどの将来を考えたら絶対に連れて行った方がいいなと思って、強引に連れて行きました。

田家:大瀧さんはソロアルバムがあったのであまり自分の曲が残ってなかった。

三浦:そうそう。だから大瀧さんはほとんどロサンゼルスで書いてますよね。細野さんの「無風状態」も詞は向こうで書いてるんですよ。

田家:そうなんですか。

三浦:それで詞の中にエイハブ船長が出てくるじゃないですか。それがはっぴいえんど解散を絡めていろいろ都市伝説みたいに語られていて。大瀧さんがエイハブ船長に例えられて、「なんか俺が解散させたのかな。細野さんはそういう思いで作ったのかな」みたいに大瀧さんも思ったらしく。細野さんは全然そういうことじゃなかったみたいなんだけど。

田家:やっぱり解散話はいろいろな形で取り沙汰にされたんでしょうね。三浦さんがこのアルバムからもう1曲選ばれましたB面の1曲目、「さよなら通り3番地」。

Rolling Stone Japan 編集部

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