森山良子の歌手人生、すべてが歌になっていった55年の歴史と現在を本人とともに語る



田家:作詞が松井五郎さん、作曲が森山良子さん。松井五郎さんとはどんな話があったんですか?

森山:これはコーラスグループのサーカスさんのご依頼で「30周年記念のアルバムに書いてくれない?」って言うので、「ええ! 私が!?」なんて言って。でも松井さんがいれば安心と思って、すぐ松井さんにお話をして。家族がテーマということは決まっていたので、これはテレビかなんかに映っていた1枚の写真を見た時に発想をして、わーっと書き上げたっておっしゃってましたから。自分の家族にも当てはめ、みなさんの家族にも当てはまるんじゃないかと思って、いつもいろいろなことを思い出しながら歌いますね。

田家:ご自分の家族観とデビュー当時の家族観はかなり変わってきているものがおありになる?

森山:やっぱり時代が違いますから愛おしさみたいなもののあり方がちょっと変わっているかなと思いますね。私が子どもであって、兄と父と母がいて、本当にセピア色になった写真を私の中にも家族写真というものが存在するんですね。

田家:それが「涙そうそう」になったわけですもんね。

森山:そうですね。そういう意味での懐かしさと昭和という時代の何もないけれども、なんか温かくていい時代だった。みんなが肩を寄せ合って助け合っていた時代。その時代がとても愛おしい時代なんですけども、今の時代ってまたまたもっともっとドライであって、思考もみんな違いますしね。どんどん新しく塗り替えられていくし、この歌の世界とは違った想いがありますね、家族に。

田家:良子さんが選ばれた次の曲は詞曲が森山直太朗さんと御徒町凧さん、「今」という曲です。

Rolling Stone Japan 編集部

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