J-POPの歴史「1990年と91年、音楽業界の規模が倍々ゲーム的に大きくなった始まり」



流れてるのはこの番組のテーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。

90年代の事をやろうかなと思ったときに、とても自然にやれそうな気がしてたんですが、やり始めたら大きな壁にぶつかりました。曲をどうするんだ。音楽業界の規模が倍々ゲーム的に大きくなってた10年ですから、さっきの「ラブ・ストーリーは突然に」と「SAY YES」の差が280万枚対270万枚で、どっちが勝ったって言ってた時代ですよ。年間のミリオンセラーが10曲どころじゃなくなってくるんです。

来週からそういう話になるんですが、1位から20位までミリオンセラーだったりした時代があるんです。しかも、今も現役のアーティストの代表曲っていうのが大体この90年代に誕生してるんです。つまり、こんな曲がありましたとか、こんな曲が流行りましたとか、こういういい曲覚えてますか?って話をしてるだけで、あっという間に時間が経っちゃうんですね。さあ、どうやって曲を選ぶんだ、来週以降どうしようと思いながら話をしてるんですけども。おいつかないんですね。あまりにも規模が大きい。

ですから、何でこの曲が入ってないのとか、何であの曲が流れなかったんですかって言われることを覚悟しながら進めようとは思ってるんですけど、一つ決めたことがあって。取材したことのある人とかですね、ライブを見たことのある人の曲を流そうかなってことで、ヒットしたけれども流れない曲というのが出てくるのもしょうがないと思っていただけると嬉しいですが。つまり「90年代ノート」は、私的90年代ノートと思っていただけると嬉しいです。なんであの曲の話をしないというご不満はご容赦くださいということで、来週に伺いたいと思います。来週は92年93年です。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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