Spotifyスタッフはどんなことを考えている? a flood of circle佐々木が対話してきた

佐々木:海外のアーティストで曲を再生すると、短い動画がループされるものがあるじゃないですか。あれ、名前はあるんですか?

芦澤:「キャンバス」と言います。

佐々木:初めて聞いた(笑)。海外だともう定番になっているんですか?

芦澤:いえ、本格的にサービスを開始したわけではなくて、試験的に行っていることですね。Spotifyはテック企業でもあるので、新しい仕様を導入する時にはテストをするんです。キャンバスも今はテスト段階にあります。

佐々木:何をイメージして、どういう意図があってやっているものですか。

芦澤:キャンバスは8秒間のループ動画です。デスクトップでは対応していないんですけど、スマホで聴く時には目を引きますし、認証されたアカウントを持っているアーティストやレーベルの方は、専用のツールから簡単に動画を更新することもできます。テイラー・スウィフトは新曲をリリースした際に毎日キャンバス動画を変え、ファンとコミュニケーションを図るような施策を行っていました。

佐々木:毎日!?

芦澤:はい。毎日変わる動画を楽しみに、ファンは毎日同じ曲を聴きにきたりしていました。キャンバスはライブ映像やイラストなどいろんな表現ができるので、アーティストからのファンに向けたメッセージにもなります。

佐々木:SNS的ですね。

芦澤:たとえばビリー・アイリッシュのようなアーティスティックな側面を持っている人は、音だけでなく様々な形で自分の音楽を表現したいと思っていると思います。Spotifyはソーシャルメディアと連動しやすく、シェアされた楽曲はSpotifyのユーザーでなくても30秒まで試聴できるんですよね。キャンバスをシェアすることでファン同士で会話が弾んだりしますので、そう言った意味では新しい体験を促せると思います。この機能が本格的に実装された際には、Spotifyがアーティストやマネジメントにお渡ししているツール「Spotify for Artists」の認証アカウントを持っているアーティストは全員使えるようになります。

佐々木:それ、革命的かもしれないですね。CDは買ってくれた人がどれだけ聴いているかっていうのはわからないし、毎日聴いてもらうためにはどうすべきかって考えていたので。キャンバスはなるほどなって思いました。

芦澤:はい。

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