グライムスが明かす、自身の素顔と超越したヴィジョン「カオスこそが私のブランド」

グライムス(Photo by Charlotte Rutherford for Rolling Stone)


「ありきたりなサイクルにはもう満足できない」

彼女はこんな風に自分の手で何かを生み出すことを楽しむ一方で、もうそのやり方に固執する必要はないと感じている。音楽制作においても、今後はより積極的に外部プロデューサーとコラボレートしていくつもりだという。「自分が優れたプロデューサーだってことを、何が何でも世間に認めさせてやりたかった」これまでに度々そう発言している彼女は、一流プロデューサーと言われる男性たちにライバル心を抱いていたが、中でもとりわけ意識している人物がいた。「バカバカしいんだけどね」彼女はそう話す。「ディプロとビーフをやっちゃったの。とにかくあいつを負かしてやりたいんだ」(その理由について彼女はこう話す。「(2012年に)一緒にツアーを回ったんだけど、死ぬほど嫌な奴だった」)


Photographed and directed by Charlotte Rutherford for Rolling Stone. Dress by Valentino. Earring and rings by Lynn Ban.

彼女はグライムスを、単なるミュージシャン以上のものにしたいと考えている。「彼女の世界観はファッション、ビューティ、ゲーム、アート、そして音楽で構成されている」長くcを支え続けたLauren Valenciaが昨年7月に逝去して以来、彼女のマネージャーを務めているDaouda Leonardはそう話す。「彼女はその世界観を具現化しようとしているし、そのための能力を持っている」

そのアイディアのひとつは、「デジタルの世界における衣類をデザインし、ゲーマーたちが着用する『皮膚』として販売する」というものだ。「馬鹿げてるかもだけどね」cは笑ってそう話す。「頭おかしいって言われても仕方ないと思うもの」。また彼女とマックは現在、彼が「強烈な空想上の生物」と形容する何かが登場する架空の世界の構築に取り組んでいる。マックによると映画化を視野に入れているが、まずはコミックとして発表するつもりだという。

彼女は妊娠期間中におけるプロモーションにおいて、ヴィジュアルを伴う必要があるものに使用するWar Nymphというアバターを考案している。多数抱えているアイディアの中には、人工知能が解析したグライムスの動作を同アバターにマッピングするという案がある。「将来的に実現しうる、無数の意識が同時に働いてる状況っていうのにすごく憧れるの」いかにも彼女らしいトーンでcはそう話す。「ただ曲を発表して、宣伝して、ライブをやって、MVを作るっていう、ありきたりなサイクルにはもう満足できないから。音楽プロジェクトとしてのグライムスは若さありきだったけど、私はそこから一歩先に進もうとしているの」。古い曲を演奏することについて、彼女はこう話している。「ベイビーボイスで歌うことに違和感を覚えてる。だってあの曲を作ったのは、精神的に未熟な若者だったんだから」

Translated by Masaaki Yoshida

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