グライムスが明かす、自身の素顔と超越したヴィジョン「カオスこそが私のブランド」

シリコンバレーの有力者と共にめざす未来

彼女はマスクの試みが世界を変えるだけでなく、世界を救うかもしれないと信じている。石油の消費にノーを突きつけるテスラ、宇宙旅行を身近なものにしようとするスペースX、そして脳の修復という難題に挑戦するNeuralink。また彼女は、アルバムの大きなテーマでもある気候変動という脅威に、彼が歯止めをかけることができると信じている。「私は持続可能エネルギーの熱狂的信者で、何もかもを電気に置き換えれば人類は地球以外でも暮らせるようになると信じてる」彼女はそう話す。「今の地球は問題を山ほど抱えているけど、政府にそれを解決する能力はない。私のボーイフレンドは、目に見える形でその課題に取り組んでる。それは誰にも否定できない」

cは男女の給与格差について、今も懸念を抱いている。「彼と付き合い始める前から、私はその問題について何度も発言してきた。世間が私と彼の交際をよく思わない理由のひとつはそれだと思う」彼女はそう話す。しかし彼女は、マスクがヨットを買い集めるような人物ではないと主張する。「彼は何もかもを、世界をよくするための研究開発に注ぎ込んでる。毎朝夜明けと同時に起きて、ものすごく遅くまで働いて、休暇も全然取ろうとしない。彼は自分のエネルギーと財産の全てを、世界をより良い場所にするための努力に費やしてる。他のことには目をつむれるくらい、私は彼がしていることを尊敬してる。それが自分の信条と矛盾しているとは思わないわ」

彼女はさらに続ける。「彼が目指しているものと、バーニー(・サンダース)が目指しているものは似てると思う。環境問題への取り組みや、苦しんでいる人々に手を差し伸べるっていう点においてね。貧富の差を縮めることも、億万長者の数を減らすことも大切だけど、その2つは似て非なるものだと私は思う」








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マスクの財産が人類にとって必要なプロジェクトに費やされていると信じている彼女は、それを自身の活動には一切使わないことに決めている。「グライムスの投資主はグライムスだけ」彼女はそう話す。「テスラのような企業のお金を、私の馬鹿げたアートに使うわけにはいかない。言いたいことを言って、やりたいことをやりつつ、経済面は彼氏頼みだなんて説得力のかけらもないし」。わずかな沈黙の後、彼女はこう言った。「子供の世話には使ってもいいと思うけどね」

いずれにせよ、世界を動かすシリコンバレーの有力者との交際が、彼女の可能性を押し広げることにつながったのは確かだ。「私が経験したことの一部だけでも知ったら」小さな声でそう前置きしつつ、彼女はこう言った。「あなたもきっと『やってみよう』って気になると思う。事態はきっと良くなるし、どんな問題にも解決の道はある、そんな風に思えるはず」。それは自身のキャリアについても言えることだという。「目標を高く持ちたいの」彼女はそう話し、再びその手でお腹に触れた。「たとえ失敗したとしても、やらなかった場合よりは高い場所に行けるはず。私は失敗を恐れたりしないの」

彼女は笑ってこう言った。「恥をかくのも怖くないしね」

Additional credits:Photographer’s Assistants: Kevin Coffey & Lance WilliamsDigital Technician: Buddy BleckleyPost-production Supervisor: Felix GeenVFX Artists: Metapoint.xyz & Felix Geen3D Assistant: Maximiliane GalgenmaierAssistant Director: Emily Mathason




SONICMANIA
8月18日(金)幕張メッセ
公式サイト:https://www.summersonic.com/sonicmania/

Translated by Masaaki Yoshida

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