西岡恭蔵とKURO、世界旅行をしながら生み出した楽曲をたどる

最後の手紙 / 西岡恭蔵

田家:先週も話に出た『Yoh-Sollo』の中の曲を選ばれておりますが。

中部:これは、スペインとか地中海とかモロッコとかカナリア諸島とかへ行って作ったアルバムの中から選んだんですけど、僕の趣味でもあるんだけど、小林旭さんが歌ったらいいなと思われるような非常に歌謡曲っぽい歌ですよね。ここまでKUROさんと西岡さんの“芸風”というのが広がってきているんですよね。どんどんポピュラーミュージックになっていくという。これは、歌謡曲として今でも誰かカバーしてくれたらいいなと思うぐらいです。

田家:そう言われれば、恭蔵さんが高い声を張り上げたときには小林旭さんみたいなところがありますね。

中部:仲間内の冗談では「フォーク界の小林旭」と言われていたらしいですよ(笑)。

田家:『Yoh-Sollo』は1978年12月から1979年1月まで1ヶ月半の旅の中で、「最後の手紙」は1979年1月8日カナリア諸島で書かれた。これも、旅行記をお読みになって?

中部:ええ。これは旅行日記が現存していて、西岡さんの字で読めたわけですけども、本当に事細かに書いてあるんです、1日何をしたか、何があったかということが。だから、メモ魔でもありますよね、西岡さんって。

田家:その旅行記はどこにあったんですか?

中部:ご実家にたまたま残されていたんです。一部の日記もたまたま残されていて。

田家:日記をお読みになって(本書を)書いているというのが、これが4週目、5週目の感動的要素でもありますね。

中部:残っていた日記は4~5年間で、全部残っているわけではなかったんですけど。記録魔ですよ。わりと事細かに自分の気持ちも、何が起きたかも書いているんです、西岡さんって。

田家:それを事細かに読み直して、再構成して取材されたのが、中部さんがお書きになった今回の本です。

Rolling Stone Japan 編集部

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