田家: 1979年7月に発売になったシングルで、今回はアレンジとギター、ボーカルがMIYAVIさん、そしてキーボードがミッキー吉野さんです。
ミッキー:これはやっぱりいいですよね。今までいろいろな人がカバーしてくれたけど、それとは全然違う。新しい時代の999って感じがします。
田家:これもMIYAVIさんのところにオルガンのデータだけ行ったと。
ミッキー:そうそう。それは亀田さんのこだわりなんですよ。プログレっぽいオルガンソロを最初に出したらNG(笑)。「やっぱりあれがいいんですよね」って言われて、ほとんどオリジナルに近いオルガンソロを渡しました。
田家:こういう999もそうなんですけど、自分たちの代表曲に時間が経って向き合っているときの気持ちはどういうものなんですか?
ミッキー:かっこつけて言っているわけじゃないですけど、これは感謝しかないですね。過去の自分の中のヒット曲にそういうものがいくつもあって、だから今もできているんだなと。別にこれでなんとかっていうわけじゃないんですけど、感謝を持って演奏していくと。そういう感じですかね。
田家:この曲ができたときに曲の前にアレンジがあったという話を見たのですが。
ミッキー:これは違いますね。「Monkey Magic」とか「ポートピア」とかいろいろありますけど、アレンジが先にできている場合あります。陽子(奈良橋)の歌詞を見てタケが曲を書いてくる前にイメージを言われているんですよ。この歌詞を表現するにはどんなアレンジがいいかとか、そういうことはたしかにありますけど、これはそんな暇もなかったんです。タケカワも前日ぐらいに詞をもらって、曲を書いて、それを僕のところに朝持ってきて。僕はスタジオにいてそこからアレンジしている。あとはそれこそ降りてくるものとか、イメージしたものでSLを。それで間奏があれなんですよ。ふと降りてきたのがバッハだった。
田家:それは子どもの頃から頭に入ってるやつですか?
ミッキー:それはバークレーで練習させられた(笑)。ピアノのレッスンでやらされるんですよね。バッハはほとんど練習曲ですから。
田家:バークレーに行ったことがいろいろな形で活きているんですね。
ミッキー:そうですね。それまでは勝手にやっていたし、好きな音楽を選んだり。でも、確信できるわけじゃないですか。習うとね。そういう意味では本当によかったです。
田家:カーメン・キャバレロの『愛情物語』でピアノに惹かれた人がザ・ゴールデン・カップスまで行く、その過程もずっとあったわけでしょ?
ミッキー:要するに演奏するのが好きだったんじゃないかな。
田家:そういう中でザ・ゴールデン・カップスはどういうバンドだったか、来週お話を訊こうと思いますが。今日最後の曲は1979年に発売になった原曲のシン・ミックス。「銀河鉄道999」です。