idomが語る人生観と音楽ルーツ、「GLOW」で描く今の自分を肯定すること

―え、「neoki」ってことですよね? エピソードを聞くとタイトルも納得ですけど、DAWソフトを買った初日に作ったとは思えないセンスの良さを感じます。ソフトを使ってデザインをするのと似た感覚があったんですかね?

idom:別ものと言えば別ものですけど、PCをいじくってる時間は長かったので、そんなに困りはしなかったというか。最初にLogicを買ったんですけど、UXがわかりやすかったので、それでそんなに敷居の高さを感じずに作れたのかもしれないです。



―音楽性のルーツに関しては、お母さんから聴かされた洋楽が大きそうですね。

idom:そうですね。母親はポップス寄りなのが好きで、BACK STREET BOYSとかブリトニー・スピアーズとかを聴いてて、小学生のときに一緒にCD屋さんに行って、初めて買ったのがアヴリル・ラヴィーンだったと思うんですけど、初めて自分から好きになったのはたぶんNe-Yoですね。父親の知り合いのお兄ちゃんみたいな人とゲームをしてて、当時出たばっかりのプレイステーション3で『グランドセフトオート』をやってたんですけど、そのなかで流れた音楽がめちゃめちゃかっこよくて。で、「これ18禁のゲームだから親父には言うなよ」とか言われながら(笑)、家帰ってパソコンでこそっと調べて、「これNe-Yoって言うんか!」みたいな。そこからR&Bとかヒップホップにハマって、当時やったらアッシャーとかクリス・ブラウンを音楽プレイヤーに入れてずっと聴いてました。それで余計に周りとは趣味がかけ離れちゃったんですけど(笑)。

―おそらくはその延長線でよりリアルタイムのR&Bシンガーやラッパーの楽曲も聴くようになって、それがidomの音楽性のバックボーンになっているんでしょうね。

idom:だいぶ影響を受けてると思います。グルーヴ感だったり、フロウの持って行き方だったりは、どうしてもそこからの影響が出ちゃうなっていうのは、自分でも感じます。

―ちなみに、日本人で好きなアーティストには玉置浩二さんを挙げてますね。

idom:おばあちゃんと何回かコンサートに行きました。僕はもともと一リスナーとして、歌が上手い人が本当に好きで、歌唱力で勝負してる人ってかっこいいなと思ってたんです。でも、自分で音楽を作るようになって、曲作りの部分でのリスペクトが生まれて、それまでそんなに日本人のアーティストは聴いてなかったんですけど、この一年くらいで日本の曲もたくさん聴くようになりました。

―2020年4月に「neoki」を公開して、最初の一年はどんなテンション感で楽曲を作っていたのでしょうか?

idom:今もそうなんですけど、楽曲の出し方にエンタメ性が欲しいと思っていて、前回の曲と比較できるような並びにするために、毎回テイストを変えるようにしていて。なので、実験的でもありつつ、「これが僕のスタイル」みたいになったらいいなって。

―「毎回違う」こと自体がスタイルになればと。

idom:そのスタイルは今後も継続させたいです。毎回曲が出るたびに、「次はこう来たか」って思ってもらえるような、そういう面白さは欲しいなって。

Rolling Stone Japan 編集部

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