idomが語る人生観と音楽ルーツ、「GLOW」で描く今の自分を肯定すること

―「Awake」を含むEP『i’s』には、それぞれカラーの違う曲を収録しつつ、歌詞の根底には「抑圧からいかに解放されるか」という共通のテーマがあるように感じました。それはもちろんコロナ禍の日々も関係があったと思うけど、idomさんのこれまでの話を聞いて、idomさん自身の人生観が反映されたものでもあると思いました。

idom:これまで自分の人生の中で、「本当はこうしたいのに」と思いながら、常に葛藤することがたくさんあったのは確実にそうですね。「Awake」に関しては、自分が使命を与えられたことを再認識するための曲という感覚があって、「すべては僕のために用意されてた」みたいな歌詞を入れたのは、これまでいろいろ失ったり、辛かった過去は、全部ここに至るための経験だったと思えたからで。「抑圧からの解放」でいうと、曲によって視点が変わるというか、「Awake」は僕自身の解放で、「Freedom」はもっと広く、みんなに呼びかける解放で、「帰り路」は友達に語りかけるようなイメージ。でも、「今ため込んでるものを捨ててもいい」っていう部分はどれも一緒で、そこにこれまで自分が経験してきた人生観が出てるのは否めないなと思いますね。



―「Awake」の歌詞には〈Lord gave me a mission〉や〈This is my…God’s plan〉というラインがあったり、「Moment」はゴスペル調だったり、そういった部分からも「解放」のフィーリングを感じました。

idom:高校のときにインターナショナルスクールが近くにあって、外国人の友達と遊ぶことも多くて、日曜には近くの教会に遊びに行ったりもしてたので、その影響はあるかもしれないです。アメリカ人のおっちゃんに聖書を渡されて、「この意味なんやと思う?」って聞かれたり、そういう環境は身近にありました。

―ゴスペルは2010年代以降の音楽的なトレンドでもあるけど、その感覚が身近なものかどうかによって、表現の質は変わるでしょうからね。

idom:自分の精神世界を語る上で、目に見えない力みたいなものを歌詞のなかに落とし込む作業が結構大事かなと思っていて。それをより具体的に表現したり、具現化した存在を入れてみたり、そういうのが歌詞のなかに出てくると、曲としての共感性がより高くなるのかなって。

Rolling Stone Japan 編集部

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