idomが語る人生観と音楽ルーツ、「GLOW」で描く今の自分を肯定すること

―2021年7月に発表した「Awake」にはXperiaのタイアップが付いて、制作の環境も変わったと思うんですけど、本格的に音楽の道に進む決断をしたのもこの頃?

idom:そうですね。最初は趣味で始めたというか、仲間内でやってる感じだったけど、少しずつどこの誰かはわからない人たちも聴いてくれるようになってきて、これをもっと継続してやり続けてもいいかなと思うようになって。そのタイミングで「Awake」のタイアップの話をいただいたので、そこが分岐点でしたね。最初は僕みたいに曲作りのことを何も知らずに始めたやつが、どうやって曲を作っていくのかをみんなで見て、それをシェアしていこうっていう感じだったけど、自分の中で「こういうこともやってみたい」っていうのがいろいろ増えてきた中で、その規模感をもっと大きくできるなら、それはぜひやってみたいなって。なので、最初の一年はまず「こんなやつおるんや」って見つけてもらう段階で、「Awake」からはもうちょっと気にかけてもらう段階に持って行きたくて、去年一年はちゃんとそういう動きができたかなと思ってます。



―まさにそうなったと思うし、その背景にはキャリアをデザインする視点がちゃんとあったんですね。「Awake」以降はTomoko Idaさんとコライトをするようになって、それで音楽的なクオリティが上がった部分も大きいと思いますが、変化をどう感じていますか?

idom:「Awake」のときは「こういう構成、サウンド感にしたいです」ってお伝えして、何日かしたらTomokoさんからあのトラックが来て、テンションめちゃくちゃ上がっちゃって(笑)。すぐ次の日に歌詞もメロディーも今とほぼ一緒のやつを送りました。Tomokoさんのトラックは僕のイメージを本当に具現化してくれるというか、メロディーが浮かびやすくて、ひとつのトラックに対して15パターンくらい付けて返したこともあったりして。Tomokoさんのトラックはビートのぶっとさとか、明らかに日本っぽくなくて、ローの鳴りも海外っぽいんですよね。

―よく海外に行ってコライトをされてる方なんですよね。

idom:そうですね。よくLAに行かれたりしてて、僕もずっとそっちの音楽を聴いてきたので、だから親和性が高くて、メロディーも湧きやすいのかなって。

―ただ、そうやってトップラインが浮かんでも、それを歌いこなせるかどうかはまた別だと思うんですね。それまでシンガーとしての経験が長かったわけでもないと思うし。

idom:まったく、ゼロです(笑)。

―この一年はカバー動画も公開していましたが、そういう中で少しずつシンガーとしてのスキルも磨いていったのでしょうか?

idom:カバーで一番身になったと思うのは、トラック作りなんですよね。僕はそこがまだまだ拙いと思うので、いい勉強になりました。歌に関しては、本家とそのファンの方に対して失礼がないように、何回も原曲を聴いて、「ここはこういう感情を込めて」みたいに、かなり神経を使いながらやっていて。だからあんまりたくさんは出せてないんですけど、それもやっぱりいい勉強にはなってますね。

Rolling Stone Japan 編集部

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