idomが語る人生観と音楽ルーツ、「GLOW」で描く今の自分を肯定すること

―新曲の「GLOW=光」というのも、まさに「目に見えない力」ですよね。

idom:希望の象徴、みたいなことですね。

―「GLOW」はトラックがCarlos K.さん、アレンジにNaoki Itaiさんが関わられているそうで、重厚なストリングスによるスケール感が印象的な仕上がりですね。

idom:今回はドラマサイドの方ともいろいろやりとりをさせてもらって、特に監督の中にはっきりとしたビジョンがあって、壮大さや迫力が欲しいというのは最初から聞いていて。なので、そこを詰めていった結果、この曲にはストリングスが合計80トラックくらい入っていて、ミックスは大変だったんですけど、その分パワーは出せたかなって。あとは、ドラマの展開とマッチするようなサビをしっかり作りつつ、これまでの僕の雰囲気もちゃんと出したくて、A・Bの部分は相当練って作りました。



―スケール感は「Awake」にもあった部分だし、これまでの延長線の部分と、ドラマ主題だからこその部分がしっかり両立した楽曲になっていると思います。

idom:これまでの世界観を引き継ぎつつ、ちゃんとJ-POPに落とし込むことも大事だと思っていて。僕が作るとグルーヴもメロディーも洋楽チックになりがちなので、それをどういい塩梅にするのかっていうのは大きな課題でした。この曲ができるまでに全く違うタイプの曲を15曲くらい作ったんですけど、最終的には「これしかない」という曲になったと思います。

―歌詞もドラマのストーリーを意識していて、「弱くても戦え」というテーマに寄り添った応援歌でありつつ、idomさん自身の人生ともリンクする内容だと感じました。

idom:ドラマの内容とリンクさせつつ、いかに自分の感情も乗せるかっていうのは結構難しかったですけど、その部分の摺り合わせができてからは、スムーズに書くことができて。強さを求めている状態がいいというか、苦しいところから抜け出そう、乗り越えようとすること自体が「強さ」だと思うので、そういう部分が伝わる歌詞にしたいというのは思っていました。あとは、いつもは自分のことを歌ってるから、自分視点の独りよがりな歌になりがちなんですけど、今回ドラマとリンクさせるために仲間感というか、チーム感をちゃんと出したいと思ったので、「ぼくら」の歌であることが重要だと思いました。

―途中で玉置浩二さんの話をしましたけど、「GLOW」を聴いて、「田園」を思い出す部分があったりして。「田園」もフジテレビのドラマ主題歌で、内容的にも弱小の町工場がチームで立て直しを図る話だったし、玉置さんにとっても安全地帯の活動休止という不安定な時期を経て生まれた人生賛歌だったから、イタリアでの就職を断念した先でこの曲が生まれたというidomさんの人生ともリンクする気がして。

idom:「田園」は〈生きていくんだ それでいいんだ〉と歌っていて、「GLOW」は〈弱いなら弱いまま もがいたっていいから ありのままで進め〉と歌ってるから、確かに通じる部分はあるかもしれないですね。強くなる必要はなくて、今の自分を肯定することで、それが勇気になって、「もっと頑張ろう」と思える。自分もそう思いながらここまでやってきたので、そういう人生観が反映された曲になってると思います。

―「GLOW」を表題曲としたEPに関しては、どんな内容になりそうですか?

idom:これまで通り、曲ごとにスタイルが変わる感じは今回のEPにも出てると思います。「GLOW」はJ-POPとして作りましたけど、Tomokoさんと作った曲も入ってるし、残りの2曲はトラックから全部僕が一人で作っていて。だから、これまでの歴史も見えるかもしれないですね。「GLOW」は新しい挑戦、Tomokoさんとの曲はこれまでを踏まえた自分の世界観を表現していて、残りの2曲はいわゆるベッドルームアーティストとしての、もっと身近な部分というか、気取ってない部分を出せるかなって。たくさんの人に僕のことを知ってもらえるきっかけの作品になると思うし、「idomはこういう面とこういう面があって、こういう子なんや」って、わかってもらえるようなEPになってると思います。

―では最後に、今後のアーティストとしての展望について話していただけますか?

idom:まだまだ自分は経験も浅いし未熟なので、まずは音楽の部分でしっかりスキルや知見を深めていかないといけなくて、先のことを考える段階ではないと思っています。ただ、デザインとかいろんなアート性の部分で、表現の方法を音楽だけにとどめるんじゃなく、将来的には音楽以外の部分でも展開を作れたら、それが音楽にもいい影響を与えるんじゃないかなって。あとは、まだライブをしたことがないので、自分のリスナーがどういう人たちなのかを目で見れる状況を作れたら、また考え方にも変化が出てくるんじゃないかと思いますね。



<リリース情報>



idom
『GLOW』
2022年8月8日(月)ダウンロード・ストリーミング先行配信
2022年9月7日(水)EP発売

初回生産限定盤:CD+Blu-ray(SECL-2790~2791)1800円(税込)
Blu-ray収録内容
・「GLOW」MUSIC VIDEO
・「GLOW」Behind The Scenes
通常盤:CD(SECL-2792)1400円(税込)
=収録曲=
計5曲収録予定(「GLOW」を含む4曲+「GLOW -Instrumental-」)

CDの予約はコチラ https://idom.lnk.to/GLOW_0907
idom Twitter https://twitter.com/idom0318

Rolling Stone Japan 編集部

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