八神純子、11分17秒の楽曲からエロティックな曲まで最新アルバムを紐解く

Here We Go! / 八神純子

田家:こういう曲をわりと乱暴にカテゴライズしてしまうと応援歌に入ったりするんですけども、そのへんはどう思われますか?

八神:これは自分への応援歌ですよね。私にはなかったタイプの曲で、こういうふうにシャウトしながら歌えるシンガーになりたいと思っていたんです。以前は歌えなかった。私の声があって、やっとこの歌詞が活きるのでここまで来たかったなと思っていて、やっと到達できたかなと思っている曲です。

田家:聴いている人に対して真っ直ぐに視線がいっている感じがしますもんね。

八神:これは本当にイケイケソングです(笑)。

田家:2週目のときに「私とアメリカ」というテーマで話を伺っていて、アメリカに行き始めたときに自分のオリジナリティとは何なのか?とずっと考えてらしたという話がありましたけど、復帰後のアルバムには対洋楽の感じが全くない感じがしたんですよ。

八神:全くそれを意識してないからでしょうね。曲の中には私のDNAがあって、アメリカに行くことにより日本人としての意識が高まったのだと思います。日本にいるとアメリカっぽいものに憧れたり、英語訛りで歌ってみたり。でも、アメリカにいると全くその逆にいってしまったんですね。そうじゃないとアメリカで認めてもらえない。自分のカルチャーをちゃんと持ってないと、「あなたどこの人? ここはユナイテッドステイツ、みんなそれぞれのホームがあって国があってユナイテッドステイツなのよ」と。

田家:そういう意味では音楽的には向こうの人たちと同じようなものもお持ちなわけでしょ?

八神:アメリカでおもしろいことに気がついたのは、過去のアルバムで書いたメロディが私が出した後にそっくりそのまま使われていたりとか。なので、もともと私はグローバルだったのかもしれないなと思うんです。だったら私は私のままでいこうと思って。

田家:洋楽を意識しなくても、私が作る音楽は洋楽なんだということでしょうからね。そこに自分が思っていることを歌えばいいんだと。次の曲もそんな1曲ではないでしょうか。

Rolling Stone Japan 編集部

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