八神純子、11分17秒の楽曲からエロティックな曲まで最新アルバムを紐解く

一筋の運河 / 八神純子

田家:この中の「種」はいろいろな意味を持ちそうですね。

八神:中村哲先生、日本人の医師がアフガニスタンで運河を作られた。銃弾に倒れ、2019年12月に亡くなったんですけれど、中村哲先生のおかげで65万人の方が今畑を耕し、そこで生活ができている。感動してしまって、歌にしたいなと思って書いたんですけれども。

田家:「種」で言うと、音楽の種。自分の歌がどんなふうに育っていくとか考えたりされるんですか?

八神:先程から言っていたひらめきからスタートしていて、その種はどこにあるんだろうと思ったときに人との出会いに音楽の種があるのかなと思います。この10年、それまでの人生と比べ物にならないくらいの出会いがあったんですね。なので、私の人生遅咲きなんだけれども音楽人生はスタートしたばかり。

田家:遅咲きと思われます?

八神:はい、そうです。私の人生はデビューした頃からスタートしていなくて、この10年でやっとスタートしたんだなという気がしています。

田家:2011年に復帰して、先週もおっしゃっていた、ここで生まれ変わったということから始まっている。そうやって始まったときにアメリカでの生活が全部栄養になっていた。で、80年代の曲が40年経ってブームになったり、まさかの殿堂入りが飛び込んできたり。これは報われていると思っていいんじゃないでしょうか。

八神:そうですね。一生懸命やっていくことには意味があるんだなと、振り返ってみるとこの10年妥協しないでやってきたことが素晴らしいことなんだなと思いますね。

田家:特集の最後の曲、アルバム12曲目。純子さんがこれで終わりたいということで選ばれた曲ですが「誓い」お聴きいただきます。

Rolling Stone Japan 編集部

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