大江千里が今だから語りたいマイ・ソング、デビューから87年までを本人と振り返る

Bedtime Stories / 大江千里

田家:先程の「きみと生きたい」の次に発売されたシングルがこれですね。

大江:「AVEC」を作り終えて、プロデューサーの小坂さんに「クリスマス前に12インチシングルを2曲出したい」って言って作りました。この曲は僕がカトリックの幼稚園に通っていたとき、「エミル」という洗礼名があって。当時教えられていたのが、例えばおばさんが困っていたら手を差し伸べて横断歩道を渡るとか、そういう行いをしてる人は何か困った時に今度は自分が誰かに助けられるみたいな考えがあって。その“分け合う”っていう感覚を歌にしたんですね。これを聞いて渡辺美里さんが涙声で「こんな曲は聞いたことない、今までずいぶん苦労したとか、色んなことがあって傷ついたっていう歌詞はあるけど、今までこんなに幸せだったけど君と出会った今日が一番幸せだって」って声を詰まらせて言っていて。自分でもこのフレーズは気づかなかったなと思いましたね。

田家:渡辺美里さんを涙ぐませた一曲と。

大江:ストリングスを入れて欲しいって大村さんにお願いして、レコーディングの日にスタジオに行ったら沢山の人が待ってて。僕の歌を聞きながら演奏してくれて、もう涙が出ましたね。

田家:杉並児童合唱団が一緒に歌ってるんですよね。

大江:はい、そうです。

Rolling Stone Japan 編集部

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