大江千里は何と戦ってきたのか? ポップミュージックについて語る

白い雪まいおりた / 大江千里

田家:94年11月に発売になった「白い雪まいおりた」。クリスマスソングですね。

大江:もうこれはニューヨークからそろそろ戻ってきて、アパートも引き払って「これから日本をベースに腰を落ち着けてやるぞ」と決めた頃の曲ですね。

田家:なるほどね。腰を落ち着けてやるぞっといった時に、ご自分の一つのベースになっているクリスマスソングを。

大江:そうですね。今聞くと、サウンド的にはギターのワウとかがニューヨークへの未練というか、そういうのを感じますね。「かっこいいものを何とかして自分の世界観の中で生み出してやる!」みたいな気概が見えますね。「いやいや、そこじゃなくて詩を直球で書きなさいよ」って今の僕だったら言っちゃうと思います。もう一回「君と生きたい」みたいな、少し朴訥としてもいいから、サウンド志向というよりは詩をベースにしたようなものを作りなさいとアドバイスしてあげたいなと思います(笑)。

田家:キリスト教の洗礼を受けられた時期とピアノを始められた時期って割と重なってるんですか?

大江:そうですね。僕は3歳の時にピアノを始めて、その時にはもう初聖体を受け取っていたかな。

田家:その時、ピアノの一番弾かれた曲って何だったんですか?

大江:クラシックを一応習ってて。ブルグミュラーとか、「ソナタ」、「ソナチネ」、あとバッハの「インヴェンション」とかを弾いてましたね。

田家:この曲にはあまりそういう要素はないですよね。

大江:いや、でもやっぱ戻りますよね。ジャズのソロをやってても、ふっと「インヴェンション」の一番のフレーズが出てきたりだとかします。

田家:なるほどね。そして35歳になる年の曲をお聞き頂こうと思います。95年4月発売の「ぼくらの階段」。

Rolling Stone Japan 編集部

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