大江千里は何と戦ってきたのか? ポップミュージックについて語る



田家:96年5月に発売になった「Happy Honeymoon」。アルバムは『SENRI HAPPY』。ハッピーなロックンロールという感じですね。

大江:新しい人にいっぱい出会って、刺激をもらったアルバムという感じですね。

田家:この曲は奈良部匠平さんがアレンジをしたと。

大江:そうですね。あと濱田マリさんがゲストで六本木のセディックスタジオで録りましたね。

田家:「夏の決心」のライナーノーツに「ヘアスタイルが毎回激変してる」って書いてありましたけど、確かにブックレットに載っているシングルのジャケットを見ると、毎回髪型が変わっている感じですね。

大江:本当に忙しくて、髪を切る時間が無かったんですよ。だから『十年愛』の現場で山田かつらさんのメイクの方に「すいません! ちょっと切ってもらえませんか?」ってお願いして切ってもらったりしてて。突然切るのが面倒になって坊主にしたりだとか色んな遊び心もあって髪型がコロコロ変わってましたね。

田家:そんなに忙しかったんですか。

大江:忙しかったですね。この頃から文筆とかも始めたりとかで書いてる時間が長くて。曲を書いてツアーもやって、そこにドラマとかも入ってくる。あと当時「オールナイトニッポン」もやってたりしてて。終わってから車で逗子の漁港に行って、静かな漁港のテトラポットの上に仁王立ちで「バカ野郎ーーー!!!」って叫んだりとかしてましたね(笑)。

田家:ほんとですか!「青春のバカヤロー!」みたいな(笑)。

大江:そうそう。それで「あースッキリした」ってなって、ガソリン入れて家帰って週刊プレイボーイの原稿を5時ぐらいにFAXで送って。で仮眠してFM東京に向かうみたいな。

田家:すごいなぁ。この「Happy Honeymoon」の歌詞にある「今は時間も金もないけど必ず」ってあるように時間が無かったんでしょうね。

大江:ある種、作るモチベーションというか何を作るかっていった時に、デビューアルバムの『WAKU WAKU』をもう1回作ろうとして。再生期間に入ってやんちゃな感じで作らないと守りに入っちゃうから。やぶれかぶれでもう再生装置の中に入って『WAKU WAKU』パート2みたいな感じで書きました(笑)。

田家:ワクワクからハッピーへということですね。次の曲は時間がちょっと遡るのですが、93年7月に発売になった曲「同級生」。

Rolling Stone Japan 編集部

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