大江千里は何と戦ってきたのか? ポップミュージックについて語る

ぼくらの階段 / 大江千里

田家:95年4月発売「ぼくらの階段」です。内省的な歌ですね。

大江:そうですね。自分の立ち位置を既に俯瞰で語っている歌ですよね。階段のちょうどと途中である35歳っていうのをコンセプトに書いたんですよ。不完全なままで大人になれていない30代半ばはこんなにも子供なんだっていう。未消化のまま年が重なっていって、評価ばかりが高いハードルとなって現れる。でも自分はつまずいて持て余してっていうのを全然受け入れることができないと。セピア色の思い出処理箱が見つからず。そんな35歳っていう階段のステップで滑りながらってイメージで必死に書いきました。朝5時くらいにこれを書き上げて寝ようと思った時に、神戸で地震が起きたというニュースを見て「ああそうなんだ」なんて思いながら寝て起きたらもうとんでもないことになってて。そういうこともあって、この曲はいろんな意味で僕に重みというか…そういうのが残った歌ですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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