yutoriが語るモラトリアム、今だからこそ歌えた「青い春の音」

ーそんなyutoriは2020年12月に活動開始し、同時に投稿した「ショートカット feat. 矢口結生」がEggsのランキング4部門で1位をとりました。聞くところによると、フィーチャリングされたペルシカリアの矢口さんは、yutori結成にも関わっているんですよね?

:そもそも矢口くんが古都子を見つけてきて。

古都子:そうだね、「歌で世に出るべきだ」と言われました。

:古都子自身も「バンドやりたい」と言ってて。でも「メンバーってどうやって集めるの?」「まずバンドってどうやって組むの?」みたいな感じだったんだよね?

古都子:うん。部活内にバンドはあったんですけど、野球部よりも休みがなくて、朝早く集合することも多かったんですよ。学校内では「軽音楽部ってかわいそう」と言われる感じの部活だったから、私も「バンドってすごい楽しい!」とは思っていなくて。学校の外でバンドを組んだら楽しくなるかなと思って、知り合いだった矢口くんに「外でバンドを組みたい」と言ったら「じゃあ俺がドラムとギターを集めてくる。同じ部活に豊田くんっていう、ベースの上手い後輩がいるって言ってたじゃん? その子誘ってみてよ」という流れで矢口くんがこの2人(浦山・内田)を誘ってくれて。私は太一くんに「バンドを組もうと思っているんだけど、よかったら弾いてくれない? 1曲しかやる予定ないからさ」 みたいに言ったら「いいっすよ!」とOKしてくれてyutoriを結成しました。

ーあ、最初はバンドを続けることは考えていなかったんですか?

:そうなんです。バンドを組んで活動するというよりは「ショートカット」を作るために集まったプロジェクト的な感じでしたね。

内田:だけど曲ができた時に「僕たちって割と相性が良いのかも」みたいになったんです。それで、すぐに解散するんじゃなくて、曲の反応を見てバンドをやるかどうか決めることにしました。そしたら運良くEggsで注目されて。

:僕らはよく知らなかったんですけど、矢口くんから「今Eggsで1位をとれたら熱いよ」と言われたんだよね。

古都子:日に日に再生回数がすごいことになって、聴いた方の中で「次の曲が楽しみです!」みたいな声が多くなったよね。

:「ショートカット」で終わるつもりだったから、次の準備は何もしてなかったんですよ。「これはヤバいぞ! 新しい曲はどうする!?」と焦りましたね。

内田:そんな中で作ったのが、去年5月に配信リリースした「午前零時」。「ショートカット」はBPM200ぐらいだったのに対し、今度はBPMをめっちゃ下げたバラードにして、別の一面を出す狙いがありました。



浦山:今考えるとあそこで「午前零時」じゃなくて、「ショートカット」っぽい曲を出していたら、きっとテンションだけのバンドなんだって思われていた。

浦山:古都子の表現力の幅が広いことは知っていたんですよ。「ショートカット」はがなりというか、低音でガシガシしてる歌声だけど、スタジオでちょっと歌っている時とか「めっちゃ裏声使えるんじゃん」「クリーンで綺麗な歌い方も綺麗できるんだ」とわかって。それを活かさないのはもったいないと思って作ったのが「午前零時」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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