『あんときのRADWIMPS』著者が語る、震災とメンバー活動休止期のRADWIMPS

『あんときのRADWIMPS』

音楽評論家・田家秀樹が毎月一つのテーマを設定し毎週放送してきた「J-POP LEGEND FORUM」が10年目を迎えた2023年4月、「J-POP LEGEND CAFE」として生まれ変わりリスタート。1カ月1特集という従来のスタイルに捕らわれず自由な特集形式で表舞台だけでなく舞台裏や市井の存在までさまざまな日本の音楽界の伝説的な存在に迫る。

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2023年8月の特集は「最新音楽本特集」。PART2は、RADWIMPSの公式ノンフィクション『あんときのRADWIMPS』を著者の渡辺雅敏(ただとし)を迎え掘り下げていく。

田家秀樹:こんばんは。FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」マスター、田家秀樹です。今流れているのは2016年RADWIMPSの「前前前世」。その年の8月に公開された映画『君の名は。』の挿入歌として発売されました。アルバムは11月に出た8枚目のアルバム『人間開花』に収録されておりました。今週の前テーマはこの曲です。



今月2023年8月の特集は「夏休み最新音楽本特集2023」暑い夏を音楽について書かれた本を読みながら過ごそうという特集であります。この番組の前身「J-POP LEGEND FORUM」の頃から時々そういう本が溜まるとお送りしている特集。今週はパート2、小学館から発売になっているRADWIMPSの公式ノンフィクション『あんときのRADWIMPS』のご紹介です。一昨年に『あんときのRADWIMPS』の一作目、人生:出会い編をご紹介したのですが、今回はその続編の「人間開花編」。ゲストに前作と同じ渡辺雅敏(ただとし)さんをお迎えしてます。ユニバーサル・ミュージックのRADWIMPSの担当A&R。今はもう一つ肩書きがありまして、RADWIMPSのレーベル、Muzinto Recordsの社長さん兼任です。デビューから一番近くでご覧になってきた人にしか書けない懇親のノンフィクションのご紹介です。こんばんは。

渡辺雅敏:こんばんは。また呼んでいただいてありがとうございます。

田家:RADWIMPSはついこの間までアジアツアーを周ってましたよね。

渡辺:アメリカツアーやって、ヨーロッパツアーもやって、今度はアジアに行って参りました。

田家:10月にはオーストラリアも周るんでしょう? チケットは完売で。

渡辺:完売しちゃったので追加公演を出したのと、向こうはチケットが売り切れるとどんどん会場が大きくなっていくんですよ。だからおもしろいですね。武道館で売り出して、横浜アリーナに移るみたいに。

田家:そういう中で一作目の人生:出会い編は繁体字に翻訳されて、台湾でも売られている。

渡辺:そうですね。台湾とかマレーシアとかそちらの方で読めるらしいんですけど、ありがたいことに台湾で書店キャンペーンとかもやらせていただきまして。

田家:そういう本が出て、今回は二作目の人間開花編。前作は2009年のアルバム『アルトコロニーの定理』まで書かれていて、バンドを諦めないんだって話がありましたよね。今回は第二章のリスタート、「バンドを諦めない」アルバムがバンドを損ねてしまったという話から始まっている。

渡辺:そうですね。RADWIMPSの物語ってずっとリスタートを繰り返している感じがしていて。だからこそ長くやれている。『アルトコロニーの定理』もバンドを諦めないアルバムを作ろうとして、バンドを突き詰めた結果、辞めたいって人が出てきちゃってバンドが壊れそうになってしまう。そこからまた、じゃあどうしていけばいいんだとリスタートを切るところから始まるのが第二作ですね。

田家:アルバムで言うと、2011年の『絶体絶命』からになるわけですが、今日は本の中で比較的スペースを割いて書かれている曲をピックアップしてお送りしようと思います。アルバム『絶体絶命』の1曲目、シングルチャートの1位になった曲です。「DADA」。

Rolling Stone Japan 編集部

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