all at onceが語る、真逆な2人がボーカリストとして大切にしているもの

ーそういう紆余曲折を経て、デビューEP『JUST BELIEVE YOU』がリリースになります。これまでは配信でも楽曲をリリースされてきましたが、CDという形態でリリースとなると、やはり手応えは違うものですか?

ITSUKI:現物を手に取っていただける感覚が違いますね。デジタルももちろん聴いてもらうためにリリースしているのですが、CDだと手に取っていただくという点で違いはすごく感じています。僕自身が海外の昔のR&Bが好きでCDを集めていたので、やっぱりすごく嬉しいです。

NARITO:現物となると、自分で選んで買うという過程が絶対にあるじゃないですか。all at onceのCDを手に取ってくださることを想像するだけでもすごくありがたいです。反応もいただけるきっかけになって、改めてall at onceとしての第一歩だと感じています。

ー収録曲についてもお伺いしたいです。表題曲「JUST BELIEVE YOU」は、事務所の先輩でもある倉木麻衣さんの代表曲「Secret of my heart」のサンプリングも盛り込まれており、作詞も倉木さんが手掛けられています。倉木さんのツアーでバックコーラスとして参加されていたお二人にとって、やっぱり重みのある曲なのでしょうか?

ITSUKI:最初はとても驚きましたし、倉木さんの声に僕たちの歌声を重ねている箇所もあるので、果たして倉木さんのファンの方々に僕たちの声が受け入れてもらえるのか、不安も大きかったんです。でも、実際に曲を発表して、声が合っているというお褒めの声をたくさんいただけたのが本当に嬉しかったですし、救われましたね。自分たちも頑張って良い作品を作らないといけないなと思いました。

NARITO:最初にこの曲をレコーディングするときに、倉木さんの作詞ということを僕らは知らされていなくて。歌詞を眺めているときに、上にクレジットで倉木さんの名前を見つけた時は衝撃的でした。

ITSUKKI:曲の仮歌にも倉木さんの声が所々入っていたのも知らなくて、本当に衝撃だらけのレコーディングでした(笑)。サビの「はらりと ふわりと 舞い散る花びら」とか、倉木さんらしい綺麗な日本語の言い回しをされているので、その世界観を壊さないように、どう歌おうかたくさん考えましたね。

NARITO:倉木さんは美しさや儚さのある女性らしい歌声をお持ちになられているので、僕らは歌詞もメロディも含めて男性らしさの深い部分を出せたらいいなと思いながらレコーディングに臨みました。



ー「JUST BELIEVE YOU」は洋楽らしいグルーヴもある曲だと思っていたので、海外のR&Bをよく聴いていたITSUKIさんにとっては歌いやすい部分もあったのかなと思いました。

ITSUKI:自分が聴き馴染みのある好きなグルーヴ感のある楽曲だったので、楽しくレコーディングしていましたね。R&Bテイストの楽曲は比較的スムーズに終わります。なんなら、もうちょっと歌いたいくらいでした(笑)。少しでもリズムがずれるともたついてしまう曲なので、伸ばす部分と切る部分など細かいところを意識してレコーディングしていました。

NARITO:僕は逆に最初とても苦戦しました。今回のEPに収録されている曲は、ハイトーンや高音域が多いのですが、この「JUST BELIEVE YOU」のロートーンや声の厚みを最初は出せなくて。グルーヴもITSUKIに訊いたり、どういうノリで歌ったらいいのか、もっと声の深みを出すにはどうしたらいいのか、色々な人に訊きながら試行錯誤していたので、ITSUKIの5倍はレコーディングに時間がかかりました。最終的には自分の納得いくものを詰め込むことができて良かったです。

Rolling Stone Japan 編集部

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