家族 / 泉谷しげる
田家:この〈古いものを怖がらない家族にまだお目にかかったことがない〉すごいですね。
泉谷:そこが肝だね。やっぱり、自分たちの世代は歴史がないんで、なんとか作りたがる歪な状態になっていく。
田家:ニューファミリーとかね。
泉谷:そうそう、ニューファミリーですよね。あれは完全断絶じゃないですか。姑、祖父と一緒に住みたくないってことの宣言でしょ。お前、そんなことやって家族できるのかってところじゃないですか。
田家:はい、だから壊れていったわけで。人のこと言えないんですけど、僕も(笑)。
泉谷:つまり、核家族になるってことは責任が半端ないわけよ。おじいちゃん、おばあちゃんがいた時は責任を分けられるというか。子どもの面倒を見てくれたり、孫の面倒を見てくれたりね。良いところもあったわけじゃないですか。だけど、核家族になっちゃうと秘密が増えちゃって、個室が増えていくから余計会話がなくなる。
田家:袋小路に入っていく。
泉谷:袋小路ですよね。団塊の世代ってろくなことやってないね。申し訳ございません!
田家:で、今でも威張ったりしているという、厄介な(笑)。
泉谷:申し訳ございません、本当に(笑)。