米団体指導者、女性信奉者の尊厳を蹂躙 性的行為も【長文ルポ】

Photographs in illustration by Keilan McNeil



マッサロの生い立ち

マッサロの影響力が拡大しているのが「非常に気がかりです」と言うダイアン・ベンスコーター氏は、統一教会の元信者で、洗脳の影響を受けた人々を支援する組織Antidote.ngoの創設者だ。彼女が言うには、マッサロの教えは「途方に暮れている人、人生に何かが足りないと感じている人、愛されたい、受け入れてもらいたい、友達や仲間が欲しいと思っている人には魅力的に響きます。こうした人々は影響を受けやすく、場合によっては人生の数年を無駄にします。もっと悪いことになる場合もあります」

マッサロ本人も認めているように、大勢の人々が彼の下でタダ働きしている。「我々の運営は従来の企業とは違う。我々の運営はむしろファミリーだ」と、彼はメールで語っている。「ともに移動し、ともに食事し、住居の手配もともに行う。チームの一員として共通理念を強く信じる者は守られる。会社が従業員をサポートするのと同じことだ」

「カルトかどうかは定義によるだろう。カルトとは何か?」と、メールでローリングストーン誌にマッサロは語った。「カルト的人気を誇る映画もある。政党、国、一族、宗教、軍隊、あらゆる話題のFacebookグループ……これら全てをカルトとみなすことも可能だろう。だがある種の閉ざされた状況で、人々が自らの意に反して支配され、いつでも自由に脱退できない状況をカルトと呼ぶのなら、我々はカルトではない」。マッサロの言葉を借りれば、自由意思は「我々の活動やチームとしての運営をつなぐ黄金の糸」。彼は信奉者に一切権力や支配をかざしていないと主張し、周りから真理や権威の源とみなされるのは、信奉者の信念が間違っているからだとした。

だがローリングストーン誌が話を聞いた元メンバーは、彼の影響力の拡大を不安の面もちで見つめている。「彼は自分の活動を維持するために、皿回しの曲芸をしているんです」と言うグラハムさんは、マッサロが「限界に挑むことでスリルを味わっている」と考えている。彼女の主張によれば、マッサロは彼女から数十万ドルの借金もしている(マッサロは、彼女からもらった金は寄付だったと説明している)。「彼は身を滅ぼさずにはいられないんです」とグラハムさんは続けた。「今も曲芸は続いています。いつかは暴露されなくてはなりません」

オランダの小学校教師と発電会社の社員の間に生まれたマッサロは、元信奉者や恋人の話では、わりと伝統的な中流階級の家に育った。だが本人は、プレイボーイ誌との貴重なインタビューで「度重なる貧困」に見舞われた、と語っている。2019年から2020年まで交際していたグラハムさんによれば、幼少期は怒りと暴力に駆られた行動が多かった。自己愛性人格障害の診断を受けたことがある、とマッサロから打ち明けられたこともあり、他人の家の芝生に排泄したこともあったそうだ。マッサロ本人も、猫を裏庭のバラの茂みに何度も放り込んで虐待した、と取り巻きたちに度々語って聞かせたが、彼に批判的な人々はのちにこの話を「反社会的な傾向の証拠」だとして取り上げた(ローリングストーン誌に宛てたメールの中で、マッサロは猫の虐待を否定したが、「いたずらで友人宅の芝生に何度か排泄した」ことは認めた。また、自己愛性人格障害の診断についても否定した)。

Translated by Akiko Kato

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