森山良子が語る、80年代半ばの名曲からミシェル・ルグランとの共演

田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM 森山良子55周年 MY STROY」今週は3週目です。55周年を記念した8枚組のボックス『MY STORY』の中から良子さんに毎週8曲を選んでいただいて、それにまつわる話をしていただいております。今週はパート3、Disc5とDisc6の中からお送りしました。流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。



今日お聴きになった曲を聴き比べてもお分かりいただけると思うのですが、分け隔てのなさはなんだろうと毎週思ったりしています。音楽のジャンルとか、そういうことも全然超越してしまっている。これは淀川長治さんという映画評論家の方がいらっしゃって、亡くなっちゃいましたけど、淀長さんがどんな三流映画でも3分間は感動的だという名言を残しているんです。僕はその言葉が好きで、どんなに売れてないバンドの音楽、ライブでも一箇所は感動的だみたいなところがあって、それが座右の銘ではあるんですけど、良子さんはそういう次元じゃないなと思ったんですね。

日本のこれは音楽だけではなくて1つのことをずっとやる人を評価するというきらいがあって、1つのことをやり続ける職人。かたやいろいろなことをやる人は器用貧乏とかマルチとか、そういう括りになってしまう。そのものさしに入らないのが森山良子さんだなと思います。どんな音楽にもいいところや楽しいところもあって、そこを引き出してなりきることができる。「聖者の行進」のように楽器にもなれちゃう。音楽というものはこういうものなんだ!と体でも歌でも曲でも表現できる人だなと、あらためて唯一無二と思ったりしています。そういう森山良子さんにあのミシェル・ルグランが「僕と一緒にやったんだからもうくだらない音楽はするなよ」と。これはすごいですね。良子さんがどう受け止めたのかというのが、来週であります。良子さんはどんなものさしを持つようになったのでしょうか。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
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Rolling Stone Japan 編集部

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