森山良子が語る、80年代半ばの名曲からミシェル・ルグランとの共演



田家:作詞が山川啓介さんと森山良子さんで、作曲が森山良子さん。編曲が萩田光雄さん。25周年の曲だったんですね。

森山:山川啓介さんとは本当にたくさん仕事をして、「ミエと良子のショー泥棒」も全部彼がおもしろおかしいミュージカルを書いて大笑いしながらやっていたり、自分のコンサートも構成していただいていることがいっぱいあったので曲を作る機会もすごく多くて、とても心が安らぐような詞を書いてくださるんですよね。特に洋楽の和訳なんかはたくさんあるので、こういう山川啓介さんの世界観というのが私はすごく好きだったんですね。

田家:なくしたものをあつめてのなくしたものというテーマは山川さんの方からだったんですか?

森山:たぶん私が〈夜空の星屑を〉って出だしをふんふんって鼻歌で歌いながら、それでテープをお渡しして山川さんがいろいろなところを埋めていって「なくしたものをあつめて」ってタイトルになったと思。

田家:55周年のツアー「MY STORY」が行われていて、そこでもこの歌を歌われているんですよね。

森山:実は1曲目がこの歌で幕が開く感じで。今の時代に自分の中にすごくフィットするというか、ピュアだったものがいろいろな情報やことによって人間自体が、あり方が変わってきている感じがずっとしてきているので。まさしくコロナ禍ということもそういう結果なんじゃないかなと思ったりしているので、ピュアな世界をお届けできたらなと思って。だから、歌って本当に不思議なものだなと思います。その時にぴったりな気持ちで書いてはいるんですけども、実は今の方がずっと合っている。いろいろな時代の中であるなって思いますね。

田家:良子さんが選ばれた7曲目もそういう歌なのではないかなと思いながらお聴きいただきます。1992年9月発売「今、思い出してみて」。

Rolling Stone Japan 編集部

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