森山良子が語る、80年代半ばの名曲からミシェル・ルグランとの共演



田家:もうコンサートの定番。

森山:元はミュージシャンのみなさんが演奏してくださって歌っていた曲なんですけれども、ある日1番前に座っているお客様が立ってくださったのがオルゴールなんです。こういうドーム型の中でピエロさんが一生懸命押して音が出るという。それでわー素敵と思って、その場でレパートリーを歌ってみたらすごくいい感じだった。それをずっと使って歌っていたんですけども、特製を作りましてそれで歌うようになりました。

田家:チャップリンの映画『ライムライト』の主題歌で、作曲もチャップリン。オルゴールを使ったバージョンのレコーディングはこの時初めてだった?

森山:そうですね。口の横でオルゴールを回しながら見えないんですよね、あまり。いつ音が出るかっていうのが(笑)。

田家:たしかに、楽譜があるわけじゃないですもんね(笑)。

森山:全メロディの半分の小節しかないんですけども、幸い2回続けたメロディだったのでなんとか1回だけ途中でちょっと我慢すれば2回でワンコーラスができるってことが分かったので、すごくうれしいアイデアをいただいたなと思います。

田家:そのお客さんはその後?

森山:ずっといつも1番前に座ってくださるお客様だったんです。

田家:もうわりとお顔はご存知だった?

森山:はい、存じ上げていました。

田家:今もお元気でいらっしゃるんですかね。

森山:今はあまりお見かけしないんですけれども。

田家:もしお元気でしたらコンサートの時にメモでもスタッフに渡して、オルゴールの私は元気ですって書いて近況報告をお願いします。

森山:はい!

田家:今日の4曲目です。1990年「愛はたくさん」。

Rolling Stone Japan 編集部

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