森山良子が語る、80年代半ばの名曲からミシェル・ルグランとの共演



田家:すっごいっすね(笑)。これもう笑っちゃうぐらいすごい。

森山:笑っちゃいますよね(笑)。

田家:編曲が前田憲男さん。

森山:これはいろいろなところにコンサートに行く時にみなさんが知っているメロディで音楽の遊びができないかなということで、前田先生にご相談をしたんです。そしたらベースはセインツゴーマチーニにしたって言って、それだったらみなさんご存知ですねって言って。届いた譜面がもうすっごい長さだった(笑)。私もう焦っちゃって。

田家:楽譜をミュージシャンの方たちがご覧になった時はどんな反応されました?

森山:いやもう、みんな真っ青です!

田家:でしょ(笑)!

森山:リハーサルで真っ青になっちゃって、前田先生は常にミュージシャンの名前をこれは誰? ドラムは誰? って聞いてくるんです。彼らが頑張るとできるような、彼らがイージーにできるものではなく、少し苦労しながらできるものを書かれる。そこはミュージシャンのこともすごく思ってますし、私にもできそうもないけども、頑張ればできるぞっていうようなことを書いてくださるというか、これなんか最たるものですね。

田家:例えば、ジーン・クルーパとかバディ・リッチとかジョージ川口っていう伝説ドラマーの名前が出てきますけど、あれはそういう指定なんですか?

森山:そういう指定なんです。

田家:えーーーー!!

森山:それで前田先生もピアノを普通に弾きながらもいつも歌っている方なんですね。だから、アドリブを書くのがすごく上手なんです。譜面に「ウビウビシュビドゥビ」とか書いてあって。

田家:それ書いてあるんですか!?

森山:全部書いてあるんですー(笑)。

田家:ひゃー!

森山:それを歌詞みたいに覚える作業をしなきゃいけないので。おもしろいでしょう。

田家:初めて聞きました、そういうお話。そこまでのアレンジ。

森山:もう徹底的にアレンジメントをされていましたので。

田家:さっきの矢野顕子さんの「愛はたくさん」を歌った方と「聖者の行進」を歌っている人が同じだということを頭にしかと刻み込んで次の曲をお聴きいただこうと思います。今日の6曲目、Disc6に入っています1991年のシングルで「なくしたものをあつめて」。

Rolling Stone Japan 編集部

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