森山良子が語る、80年代半ばの名曲からミシェル・ルグランとの共演



田家:作詞が倉本聰さん、作曲が森山良子さん。

森山:これは当時富良野塾で「ニングル」というお芝居をしていたんですね。みんな木を伐採していって町が枯渇していく、倉本先生がずっとテーマにしていらっしゃるお話だったんですけれども、それの音楽を作ってくださいということでしばらく富良野にお邪魔してお芝居を観たりして。それで先生のお宅に行って一杯飲みながらなんかできたみたいな、やってよやってよって感じで。そこに倉本先生が詞をつけて、「ニングル」というお芝居のテーマになりました。

田家:この曲は8枚組のDisc6に入っているわけですけども、8枚組をずっと聴いていてDisc6ぐらいからだんだん洋楽のカバーが少なくなってきている。

森山:レコーディングをする時に周りの雰囲気がやっぱりオリジナルの方向にものすごく向いていて、しかも作りなさいって。最初に「私は作りませんから」って言ってるんですけども、「作ってるじゃないですか!」って言われると、世の中がシンガー・ソングライターって言葉が珍重され始めたというか、シンガーっていうだけじゃ受け止めてもらえなくなった時代なのかもしれないですね。

田家:ご自分では作曲能力みたいなことに対して評価は?

森山:いえ、全くないです。致し方なくやってみるみたいな感じです。

田家:すごいなー。そういう流れの中で海外の音楽家とのコラボレーションの決定打のような曲が今日の8曲目であります。1996年12月に発売になった『カーネギーホールコンサートwithミシェル・ルグラン』から「シェルブールの雨傘」。

Rolling Stone Japan 編集部

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