シティ・ポップの源流、70年代後半の名曲を本城和治と語る



田家:J-POP LEGEND FORUM 本城和治さんの50曲。1970年を境にしたJ-POPシーンの立役者。日本語のポップスの生みの親の一人、元フィリップス・レコード、そして日本フォノグラムのプロデューサー、ディレクター、本城和治さんがゲストの5週間。今週は名曲編。流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」。

どんなレジェンド、巨人、スーパースターにも世の中に出るきっかけというのがあったわけですね。もし、彼や彼女がこの人に出会っていなかったら、違う出方になったのではないか。まあ、それまで実績のない人はそういう出会いがあったことで、その後が決まっていくわけです。中にはそうやって出会った、世の中に送り出されたんだけれども、その時は評価されなかった。でも、時間が経ってから、改めてその人、その人が作った曲に脚光が当たっていくという、そういうケースもあります。

いずれにしても、その人がいなかったら、その人たちの歴史は始まってない。本城さんのキャリアはそういう積み重ねなんだろうなと思いましたね。荒井由実さんもアルファ・レコードには行ってないかもしれない。アルファ自体がどうなっていたか分からない。石川セリさんもそうですね。そして、1972年、長谷川きよしさんの「黒の舟歌」。同時にピコの「I LOVE YOU」。両方を同じ方が作っていたということが、あらためて今日、「あ、そうだったんだ。プロデューサー、ディレクターのセンスというのはこういうものなのかもしれない。目利きというのはこういう人のことを言うんだろうな」と改めて思わせてくれました。音楽のスタイルもそうですね。当時はそんなに顧みられなかったんだけれども、40年ぐらい経って、改めて評価されていく。シティポップスがまさにそういう1つの現象になっています。その源流にいたのも、本城さんでした。来週はアルバムの話をいろいろお訊きして、今月を締めくくろうと思います。



<INFORMATION>


田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
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「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
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Rolling Stone Japan 編集部

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