HollowBugが語る想い、人が人を好きになるような音楽をやりたい

―改めてですけど、HollowBugってどんなバンドなんですか?

柳澤:私にとって音楽は、人生の物語を残す1つの方法でしかない。私にどんな音楽をやっているか?と聞かれたら「自分の人生を歌っています」としか言えないです。とはいえ最近はすごく人間らしい音楽というか、人間の感情とか、そういうものを音楽で表現しています。



―SUMMER JACKETのPodcastに出演した時、「日本の裏側では生きる死ぬかの状況になっていて、そういうことを歌いたい」と言ってましたけど、その問題に着目したのはどうしてなのかなって。

柳澤:マイケル・ジャクソンの影響が強いと思います。あの人って戦争のことだったり貧困の中で暮らす子供たちのことだったりを歌っているじゃないですか。同じように「世界は病気だから、音楽を通してみんなの心を癒そうよ」と歌っている音楽をずっと聴いていたので、生きている上で大事なことって、人として何かを愛したり愛されたりとか、そういうものがないと人生は豊かにならないんじゃないかと、ふと気づいて。それから、人はどうして悲しくなるんだろうとか。愛はどこから生まれてくるんだろうとか。そういう哲学みたいなことを考えるのが好きになって、マイケル・ジャクソンのマインドに影響を受けたのを機に、そういうのを考えるのが癖になりましたね。

三浦:彼の書く歌詞は、遠くのことを歌っているようで、実は自分のことを歌っているように感じるんです。自分に全く関係ないと言えばそうだけど、ある意味で一番関係あるというか。

ハマダ:曲を聴くと、メロディ以上に歌詞が頭に残るよね。それは言葉が強いからなんだろうなぁ、って。

柳澤:言葉が好きなのはありますね。例えば、みんなが口にしがちな「報われる」って、実は良い意味ではないというか、前向きなことではないんだよって。そこまでちゃんと知った上で言葉を使いたいので、そういう姿勢が歌詞にも出ているのかなと思います。ただし作詞をする上で、その曲で訴えたい答えは書かないようにしています。私としては読み取ってほしい。表面だけで曲を聴くんじゃなくて、歌詞を読んでもう一歩深くまで掘り下げてほしい想いがあって。どの曲にも奥行きがあるのは、HollowBugの魅力の1つになっていると思いますね。

Rolling Stone Japan 編集部

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